カフェを併設した吉祥寺のアートスペース「Art Center Ongoing（アートセンター・オンゴーイング）」（武蔵野市吉祥寺東町1、TEL 0422-26-8454）で現在、未来美術家・遠藤一郎さんの「Driving Photo Music THE MOVIE」展が行われている。

　遠藤一郎さんは1979（昭和54）年静岡生まれ。10代からパフォーマンスを始め、ミュージシャン、DJ、デザイナー、絵画、映像作品など多岐にわたる活動を行ってきた。自らを「未来美術家」と称し、車体に大きく「未来へ」と描かれた『未来へ号』での車上生活を続けながら、出会った人々の夢を車体に書いてもらい、文字通り人々の夢を乗せながら全国各地を走り続けている。

　遠藤さんの表現の一つに、全国を巡り撮影した写真に「未来へ号」のエンジンオイルでメッセージを描いたシリーズがある。この作品について、遠藤さんは「『未来へ号』での旅は大変なことも多く、それを乗り越えた一つひとつの風景は写真に定着していて、車の血液ともいえるエンジンオイルを使って文字を書く。それこそが旅の過酷さを写真に埋め込むのにふさわしい素材」と話す。

　今回の展示ではこの写真シリーズに加え、車の運転席から3台のカメラで同時に撮影した映像を基に制作した新作「Driving Photo Music THE MOVIE」も発表する。「オンゴーイングには2回目の登場だが、前回の展示からさらにパワーアップしている。新作をじっくり見させてもらったが、なんとも心地よく心に訴えかけてくる。これぞ遠藤一郎の真骨頂というべき作品」と同ギャラリーのディレクター小川希さん。

　最終日の1月30日にはアートスペースのPre Ongoing Schoolが開かれる。遠藤さん本人が展示作品の解説を交えてレクチャーを行い、その後はディレクター小川さんとの対談も予定。15時～。料金は1,500円（ケーキとドリンク付き）。先着30人。

　営業時間は12時～21時（1階カフェは23時まで）。月曜・火曜定休。1月30日まで。併せて、「大・遠藤一郎展『未来へ』」と題し、同展を含むグループ展などが同時に7カ所で行われている（1カ所は既に終了）。詳細はホームページで確認できる。