吉祥寺で「ベトナム民間版画展」-正月の雰囲気伝える「年画」紹介

「ベトナム☆民間版画展」で展示されている「水牛に乗って笠をあげる男」

「ベトナム☆民間版画展」で展示されている「水牛に乗って笠をあげる男」

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 武蔵野市立吉祥寺美術館(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-0385)は12月7日より、「ベトナム☆民間版画展」を開催している。

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 同展では、女子美術大学の講師でアジア美術を研究している田所雅枝さんのコレクションから約120点のドンホー版画とハンチョン版画を展示している。春節になると、厄除けや招福を願って室内や門扉などにお札のように貼る「年画」。それらに込められたベトナムの人々の思いや、魅力に迫り「正月の雰囲気を楽しめる」(同館の柚花文さん)。

 「年画」は、中国に発祥した民間伝承の版画。約千年に渡り中国支配下にあったベトナムにもその伝統が伝えられ、かつては多くの農民が農閑期になると年画制作に携わっていた。ベトナムの年画の特徴は、中国文化から影響を受けたものやベトナム独自の題材からとられたユニークな図柄、豊かな色彩表現に加え、手すきの紙や天然顔料を用いた素朴さにある。近現代美術とは一線を画すものの、朝鮮の民画や日本の浮世絵との関連性も指摘されるなど、今後、さまざまな検証が行われる可能性を秘めている。

 柚花さんは「祭祀図、花鳥図、故事・物語、風刺図、そしておめでたい意味を含んだ動物など、さまざまなモチーフを題材に、ベトナムらしい素朴な版画が並ぶ。年画に込められたベトナムの人々の思いや、その背景に迫り、正月の雰囲気を楽しんでいただけたら」と話す。

 開館時間は10時~19時30分。入場料は100円。休館日は12月28日~1月4日。1月10日(14時~15時30分)には講演会「ベトナム民間版画の魅力」も行う。来年1月18日まで。

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