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三鷹の理美容室発「カラーチューブのリサイクルで車いす寄贈」に環境省の賞

第10回グッドライフアワード表彰式で賞状を手にする石井賢一さん(右)

第10回グッドライフアワード表彰式で賞状を手にする石井賢一さん(右)

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 理美容室がヘアカラーに使うアルミ製のカラーチューブをリサイクルし、回収資金で車いすを寄贈する活動に取り組むBBリサイクルパートナーズ(三鷹市上連雀6)が12月3日、環境省が主催する第10回グッドライフアワードで実行委員会特別賞「環境と福祉賞」を受賞した。

岩手県盛岡社会福祉協議会へ車いすを寄贈した時の様子

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 同アワードは持続可能な社会の実現に向けて、企業や学校、NPO、自治体、地域コミュニティー、個人などの「環境と社会によい暮らし」やそれを支える地道な取り組みを応援し表彰するもの。環境大臣賞最優秀賞、優秀賞、企業や学校などの部門賞、実行委員会特別賞を設ける。「環境と福祉賞」は社会福祉法人恩賜財団生会理事長の炭谷茂さんが委員を務め、福祉の向上と共にエコロジーな社会づくりにも貢献する取り組みを表彰する。

 BBリサイクルパートナーズは「バーバーイシイ」(同)を経営する理容師の石井賢一さんが2014(平成26)年、同業の友人やディーラー、SNSなどへ呼びかけて立ち上げた。石井さんは「介護施設などを訪問して仕事を行うこともあり、何か福祉と連携できたらと思っていた。カラーチューブのリサイクルを知り、自分たちの身近な資源を生かして社会貢献できるとひらめき、三鷹からこの活動を広めていこうと考えた。ここ数年『SDGsへ関心があるが何をしらたいいか分からない』という理美容師たちにも輪が広がってきた」と話す。

 大型店舗も関わるなど全国に参加店が増えたことで、昨年団体名をBB(バーバー・ビューティーの意)リサイクル推進会から、現在のパートナーズに変えた。三鷹と熊本に回収拠点を構え、これまでに総重量14トンを回収。2015(平成27)に三鷹市社会福祉協議会へ寄贈した1台目から今年10月の岩手県盛岡社会福祉協議会まで、介護施設や病院などへ合わせて23台を寄贈した。

 今回同アワードに初参加し、応募総数229件の取り組みの中から受賞した。石井さんは「一つのチャンスになればと思って応募したが、評価してもらえたことは非常にうれしい。リサイクルできているチューブは年間生産量のまだ1%にも満たないので今後も全国の理美容室と協力しながら取り組んでいけたら。理美容に関わる専門学生は減ってきているが、仕事が誇れるような現場づくり、店もお客も社会貢献できるような当取り組みを、受賞をきっかけにさまざまな方向から伝えていきたい」と意気込む。

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