吉祥寺の商業施設「吉祥寺ロンロン」-地元民に惜しまれつつ閉店

商業施設「吉祥寺ロンロン」、閉店時の様子

商業施設「吉祥寺ロンロン」、閉店時の様子

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 多くの吉祥寺の人々から愛されて41年間営業してきた商業施設「吉祥寺ロンロン」(武蔵野市吉祥寺南町1)が3月30日20時、閉店した。

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 吉祥寺ロンロンは1969(昭和44)年12月に開業。フロアは地上2階・地下1階で、店舗面積=1万3,200平方メートル、延べ床面積=約32、200平方メートル。店舗数は238店。旧株式会社吉祥寺ロンロンは、JR東日本グループの駅ビル再編に伴い、2007年4月に同社と合併。吉祥寺駅の改良や耐震補強工事と併せた大規模改装の検討を重ねたうえで、アトレへとリニューアルする。

 先週末、同店は閉店を惜しむ地元民で普段以上のにぎわいをみせた。最終日は閉店時間後も最後の買い物をしようと店内の各店舗に行列ができるほどで、両手がショップの袋でふさがった人、同店の最後の様子を一目見ようと来店した地元の老若男女の姿があった。店員に「今日までご苦労さま。ありがとう」と声をかける人や、最終日とあって差し入れをする人など、なじみの客と店員が別れのあいさつを交わしている場面も見受けられた。

 蛍の光が流れる中、同店の菊池店長は集まった多くの地元住民に向け、「当初予定していなかった」という最後のあいさつを行った。「吉祥寺ロンロン店長の菊池です。実は今日、皆さまを終わりの時間に静かにお見送りしようと思っていましたが、このように多くのお客さまに残っていただきましたので、一言ごあいさつを申し上げます」と語り始めた。

 「これまで長い間、本当にお世話になりました。思い起こせば昭和44年12月、それから40年余り、皆さまにまさに『ロング ロング』の長いご愛顧いただき、ここまで商売させていただきました。吉祥寺ロンロンの名前はいったんここで閉じさせていただくが、4月1日からは本館2階に新たにアトレ吉祥寺として『街と駅をつなぐ新生アトレ吉祥寺』として皆さまに、またご愛顧いただけるべく、精一杯、精進していきたいと思っています」と感謝の気持ちや改装後の抱負を語った。

 「この40年間皆さまに培っていただいた『吉祥寺魂』を絶やすことなく、これから皆さまに良い商品、そしてサービスを提供させていただきたいと思っています。本当に長い間ありがとうございました」と締めくくり、従業員とともに深々と頭を下げた。集まった地元の人々からは拍手が送られ、シャッターの閉まる様子は多くの人の携帯やデジカメに収まった。

 20時20分すぎには同店従業員が、店内に残っていた来店客をお辞儀とともに見送り、南側の扉も閉じられた。4月1日には第1期オープンとして、2階部分がリニューアルオープンする。出店するのはパン店、花専門店、文具雑貨店、書店、ファッション雑貨店、自然派化粧品店、和雑貨店、メガネ専門店など37店舗。

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