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三鷹で「加藤まさをのお手紙展」-大正・昭和の少女文化展示会-

「加藤まさをのお手紙展」

「加藤まさをのお手紙展」

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 三鷹駅北口から徒歩5分のところにあるギャラリー併設のブックカフェ「点滴堂」(武蔵野市中町1、TEL 090-6796-5281)で「加藤まさをのお手紙展」が11月10日まで行われる。

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 同展は、大正・乙女デザイン研究所所蔵の資料をもとに、大正・昭和期に活躍した抒情画家・詩人の加藤まさをの仕事、そしてまさをデザインの便箋をはじめ、「少女たちのお手紙文化」を紹介。
便箋や封筒、絵葉書、少女雑誌や手紙の書き方本など、当時の少女文化に一時代を築いた加藤まさをと少女たちのロマンティックな世界を堪能できる。

 加藤まさをさんは1897年、静岡県藤枝市生まれ。幼い頃から絵や詩に親しみ、立教大学英文科に在学のかたわらで、川端画学校にも通いながら絵を学ぶ。イギリスの画家デュラックに惹かれて、本格的に抒情画に取り組み、1919年には東京神田の上方屋平和堂より、絵はがきが次々に刊行され一躍有名になる。当時、ヨーロッパの技術革新が進んだことによる新しい印刷技術を取り入れて、多様な風合いの抒情画(じょうじょが)を次々に生み出した。また、詩や小説も手がけるなど文筆家としての才能も発揮し、童謡「月の砂漠」の作詞でも知られるなど多彩な仕事を手がけている。生涯を通じて童謡、挿絵、楽譜、詩画集を発表し続け、大正末期から昭和初期にかけて竹久夢二(たけひさ ゆめじ)、高畠華宵(たかばたけ かしょう)、蕗谷虹児(ふきや こうじ)らと共に抒情画全盛時代を築いた。今年になって画集「加藤まさをのロマンティック・ファンタジー」の発売、JR京都伊勢丹での「加藤まさをの乙女デザイン展」の開催などが相次ぎ、再評価の気運が高まっている。

 「海外の絵本作家との近似性も感じられる愛らしさ、童謡『月の砂漠』の作詞といった文学の仕事につながるリリシズムなど、様々な面からその魅力に触れていただけます」と語るのはイベント担当の稲村さん。「今年3月のオープン以来ギャラリースペース併設のブックカフェとして各方面にご注目いただいている当店としても、これをきっかけに往年の抒情画家の美術~文学の領域にわたっての仕事に、今後あらためて光を当てていくことができれば」とも。

 営業時間は12時半から~21時まで。毎週月曜日、火曜日はお休み。

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