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ジブリ配給のフレデリック・バック「木を植えた男」、吉祥寺で凱旋上映へ

「木を植えた男」 ©Societe Radio-Canada

「木を植えた男」 ©Societe Radio-Canada

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 吉祥寺バウスシアター(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-3555)で10月8日、「吉祥寺アニメワンターランド」の一環として「木を植えた男」など4本の短編アニメーションを上映する「フレデリック・バックの映画」がロードショー公開される。

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 世界のアニメーション作家に大きな驚きと影響を与えたフレデリック・バックさん。「木を植えた男」(1987年、30分)は、5年半の歳月をかけ、2万枚に及ぶ作画作業の大半を一人でこなして作り上げた代表作。羊飼いの男が不毛の荒地にたった一人で木を植え続け、やがて緑あふれる森となり生命の輝きに満ちた場所へと生まれ変わっていく――。バックさんの偉業と主人公の行為がシンクロする作品として知られる。この作品で2度目の「アカデミー賞短編アニメーション部門受賞」を果たす。

 その他の3本の短編アニメーションは以下。生命を次々と作り出す創造主、最後に作った人間は欲望にかられ殺りくを繰り返す――。後に確立されていくテーマの原点となる作品「トゥ・リアン」(1978年、11分)。ある男が作った一脚のロッキングチェアがたどる運命を、家族・自然・文明批判というテーマを織り交ぜ描いた作品「クラック!」(1981年、15分)。川に生きる生命の力強さと、生態系を破壊し汚染する人間の愚かさをドキュメンタリータッチで描いた作品「大いなる河の流れ」(1993年、24分)。

 スタジオジブリ(小金井市)が企画制作協力を行い、東京都現代美術館で10月3日まで開催されている「フレデリック・バック展」。会場でも一部上映されているこの作品は、「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」として劇場公開、DVD化がされ、日本語字幕監修をスタジオジブリの高畑勲監督が手掛けている。「この作品の配給はスタジオジブリなのだが、ジブリとはご近所なのになかなかご一緒することがなかったので大変うれしい」と同劇場の武川さん。

 「なぜ今リバイバルするに至ったのか、その理由にとても共感する部分が多く上映を決めた。震災や原発の事故によって、いかに人間は弱く、愚かで、小さなものなのか痛感したが、そういったことをフレデリック・バックさんはアニメーションという手法で描いている」とも。

 上映スケジュールは今後、ホームページで知らせる。料金は、一般=1,800円、学生=1,500円、シニア・会員=1,000円。10月21日まで。

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