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吉祥寺の雑貨店「マジェルカ」、路面店営業に幕 地下への移転再開めざす

中道通りに面した店舗での営業終了のため、閉店セールを開催したマジェルカと社長の藤本光浩さん

中道通りに面した店舗での営業終了のため、閉店セールを開催したマジェルカと社長の藤本光浩さん

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 吉祥寺の中道通りで障がい者が製作した雑貨やアート作品のみを扱うセレクトショップ「マジェルカ」(武蔵野市吉祥寺本町3、TEL 0422-27-1623)が11月、路面店での営業を終了し、同所地下1階での販売再開に向けて動き出した。

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 2011(平成23)年9月、西荻窪で開業し、2014(平成26)年7月、吉祥寺に移転して11年。社長でバイヤーでもある藤本光浩さんが、「全国の福祉事業所からの商品が並び、それをお客さまが『すてきだから買う』場所を提供し続けたい」と路面店での販売にこだわり営業を続けてきた同店。コロナ禍が落ち着き今夏には吉祥寺に客足が戻ったにもかかわらず売り上げが伸びず、「高コストな吉祥寺で店舗運営をこれ以上続けるのは無理」とオンラインショップの運営を含め、「苦渋の決断」をして、11月13日での閉店を決めた。

 それでも2020年に一般社団法人「マジェルカ」を設立して続けてきた「Welfare trade(ウェルフェアトレード)」(「ウェルフェア(福祉)」と「フェアトレード(公正な取引)」を合わせた造語)の普及活動は継続したいと事業再開の可能性を模索していた藤本さん。

 11月末日での退去準備を進める中、閉店間際に、同店の活動に以前から理解を示していた賃貸物件のオーナーから連絡があり、今までレンタルスペースだった地下1階の「マジェルカギャラリー」をショップに、1階をレンタルスペースしてはどうかと提案を受けたという。「今後の方針が定まらず、どうするか悩んでいたところへの急転直下の提案に、吉祥寺の今までと同じ場所で営業できるなら、これはチャンスだと考え、再チャレンジする決心をした」と話す。

 再開プランの1階レンタルスペース貸し出し開始は11月下旬~12月初旬。地下1階でのショップ営業は1月初旬~中旬開始を目標に準備を進め、オンラインショップも同時スタートを目指す。

 運営を安定的に継続するための新たな試みとして、マジェルカを市民活動として支え、寄付で応援する「マンスリーサポーター」の募集も始める。寄付は毎月1,000円から。サポーターはいつでも商品を約10%引購入でき、月1回開いている藤本さんを含むスタッフとの懇話会「マジェルカカフェ」への参加特典もある。

 「吉祥寺というブランド力のある街にリアルな場所を持ち、社会と福祉の両方に価値を提供することが使命」と藤本さん。「吉祥寺に根付いた活動を絶やさないためにも、今までとは逆転の発想で店舗を運営し、収益を高めることを目指したい。立ち止まって考えることができた期間にいろいろと見直してパワーアップした新生マジェルカに、ぜひ足を運んでいただければ」と呼びかける。

 営業時間は未定。

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