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西荻窪の雑貨店「マジェルカ」1周年-福祉施設の手仕事品のみ販売

「マジェルカ」店頭

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 全国の福祉施設で作られる手仕事品を扱うセレクトショップ「マジェルカ」(杉並区西荻北3、TEL 03-6671-7106)が9月9日、1周年を迎える。

マジェルカ店内の様子

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 代表の藤本光浩さんが以前の勤務先で、福祉施設の障害者の手による木製玩具を見つけたことが開店のきっかけとなった同店。「それまでは、障がい者が作る物はクオリティーの低いものしかないと思い込んでいたので驚いた。調べてみると他にも陶器や手織りなどいろいろとあり、中には彼らだからこそ出せる魅力を持ったものが数多くある事を知り、ますます興味をもった」と藤本さん。

 しかし、実際にそれらの製品を目にしたり手にしたりできる場所はほとんどなく、既存の福祉ショップや福祉バザーでは、それらの魅力を見せるというより、「障がい者のために買ってあげてください」という売り方をしていることに疑問を感じたという。そして、「広く知られるべき背景を持った製品が、このままではもったいない」と同店開店にこぎ着けた。

 開店から1年を迎えた。「『福祉施設製品専門の店」と高らかにうたっていないので、お客さまは製品そのものの魅力に引かれて来てくれる。全商品を障がい者が作ったと知ると驚き、『だったらなおさら大切に使います』『思わず良い買い物をした』と言われるようになった」。障がい者の家族や彼らと近い立場の人が来ることも増え、「こういうものを広く、たくさんの人に見て知ってもらえる場があるのがうれしい」「ぜひ長く続けてほしい」と言われることもしばしば。実際にものづくりをしている施設の人が情報収集やアドバイスを求めて来店することも多いという。

 一番の人気製品は「光あけぼの園」(山口県光市)の帆布バッグ。倉敷から仕入れた国産帆布を使い、利用者自ら工業用ミシンを使って作られている。神奈川県でアート活動をしている福祉施設「studio COOCA(スタジオ クーカ)」のアート雑貨は、西荻窪という場所柄もあり、とても目を引いている。

 「障がい者によるすてきな製品や技術や才能が全国には眠っているが、存在が広く知られていない。福祉施設製品のデパートと言ったら大げさだが、今後はそれらをもっと開拓して並べられる店にしていきたい。雑貨だけでなく、食べ物でも、手間暇かけたいいものがたくさんあるので、それらの販売やカフェも併設できれば。障がいのある人と多くの人が交流する事で、彼らからパワーや優しさをもらったり、さまざまな取り組みをする人同士が情報交換できるようなスペースを目指したい」と藤本さん。

 「今のショップもやっと一年。まだまだ軌道に乗ったとは胸を張って言えない中、いつになるかは分からないが、そんな夢をもっている。そこでは障がいのあるスタッフが働いていたりするのもいいと思う」とも。

 営業時間は11時~20時。火曜定休。10月3日~9日は日本橋高島屋1階、同3日~16日には新宿髙島屋6階に期間限定で出店するほか、11月中旬には今年1月に開催して好評だった「光あけぼの園の帆布バッグ展(仮)」を予定している。

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