西荻窪駅の南に広がる閑静な住宅地に、今年7月「松庵文庫 Gallery & Book cafe」(杉並区松庵3-12-22、TEL 03-5941-3662)がオープンした。古民家をリノベーションしたカフェには地元の書店やベーカリー、カフェなどが出店している。
「シェアハウスをコンセプトに、地域に開けた空間を作りたかった」というオーナーの岡崎友美さん。もともとは音楽家のご夫婦が住んでいたという築80年、60坪程の古民家を買い取り「松庵文庫」をオープンした。
1階のショップスペースには食材や雑貨が並び、三鷹台のベーカリー「Little by Little」から焼き立てパンが毎日届く。ギャラリースペースもあり、月替わりで企画を行っている。店内のいたるところに本が置いてあり、店内で読めて購入もできる。「本のある景色が好きで、本を読みながらお茶が飲めるようにしたかった」と岡崎さん。以前は旅行関係の仕事をしていたという岡崎さんが旅の本を扱う書店「のまど」に依頼してセレクトしてもらったとか。カフェスペースには、以前東京女子大近くで店舗を構えていた「アヒルの空」が出店。20席程の空間にはアンティークの家具が並ぶ。その奥の広々とした中庭にはデッキと芝生、樹齢100年の大きなツツジのシンボルツリーが。芝生にマットを敷いてヨガ教室が行われることも。2階は2部屋のレンタルスペースでヨガやベビーマッサージの教室の利用がある。
「集まる人たちには自分が居心地いいように過ごして欲しい。椅子に座らずにクッションを持ってきて床に座ったり、デッキで車座になってビールを飲んだりしている人もいます。若い人はもちろんの事、ご近所のご年配の方たちも気軽に集えるような空間にしたい」と岡崎さん。「子どもの頃この家のピアノ教室に通っていたというご婦人から、『先生のお宅を残してくれてありがとう』と言っていただいたのがとても嬉しい。この重厚な時を刻む建物を無くしてはいけないという思いから始めた事でしたが、今までもこの先もこの空間に愛情を持つ人の為にこのままの雰囲気を守っていけたら」とも。
営業時間10時~19時。火曜定休日。