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吉祥寺の中華料理店「雲蓉」が5周年 コロナ禍乗り越え四川の味伝える

吉祥寺の大正通りで四川料理を提供する中華料理店「雲蓉(ユンロン)」の看板と入り口

吉祥寺の大正通りで四川料理を提供する中華料理店「雲蓉(ユンロン)」の看板と入り口

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 四川料理を提供する中華料理店「中國菜 雲蓉(ユンロン)」(武蔵野市吉祥寺本町2、TEL 0422-27-5988)が吉祥寺の大正通りにオープンして、12月23日で5周年を迎える。

中華料理店「雲蓉(ユンロン)」の横にある父親経営の印章専門店「青雲堂」

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 店主で料理人の北村和人さんは20代に修業した原宿「龍の子」で「四川料理の魅力にどっぷりはまり」、山の上ホテル「新北京」での修業中にはプロのための四川料理教室に通って腕を磨いた。「地元だから」と吉祥寺に店を持つことを決め、父親で篆刻(てんこく)家の北村鐘石さんが3代目として営む85年続く1939(昭和14)年創業の印章専門店「青雲堂」の横に2018(平成30)年オープンした。

 店名の「雲蓉」は、「青雲堂」から「雲」を、成都で修業した店「芙蓉凰(フーロンファン)」から「蓉」をもらって付けた。看板の文字は鐘石さんが手がけた。

 「コロナ禍では苦労したが、弁当を販売しないなどトライアンドエラーを続けながら乗り切った。中国で買い付けができなくなり調味料は全て自分で作るようになった」と振り返る。

 「食材に妥協したくない」との思いから、「たまたまの縁」で2年前、精肉店「サカエヤ」(滋賀県草津市)の新保吉伸社長と出会った。北村さんの料理に合うように仕立てられた放牧の野生牛の熟成された赤身肉やなどを使って料理を作る。他にも三鷹産のトマトや京都から取り寄せたスープ、長崎県五島産の放血神経締めの魚など「選ぶ食材にこだわって、自分の信念を曲げず営業してきたから5年続いた」と話す。「店の味に共感する人が通ってくる場所になっている」とも。

 店舗面積は10坪。席数は12。中国・四川省成都で28歳から約2年間修業する中で結婚した黄蘭姫(こうらんひ)さんがホールを担当する。

 「食材が入った時のみ提供するルールを貫いて作る」メニューは、海鮮菜、鮮魚料理、泡小吃(シャオチー)、豆腐菜、主食など。「3カ月ごとに変わるお薦めの前菜」は延辺羊肉串(1本440円)、大連産クラゲの甘酢ソース(1,650円)など。ランチは辛さとしびれを変更できる雲蓉特製麻婆豆腐、エビあんかけ焼きそば(以上1,980円)など。

 コース料理は「店のお任せ」で前菜盛り合わせ、海鮮料理、肉料理、鮮魚料理、主食、甜点(ティエンディエン)を提供するコース(8,800円)、12月~2月限定の簡陽名物羊肉と内蔵の白湯鍋コースなどを用意する。

 ドリンクは、サッポロ空知生ビール(800円)、紹興酒・中国地酒(グラス900円~、ボトル500ミリリットル5,600円~)、本日のグラスワイン(900円)。ソフトドリンクは、自家製季節の果実酢ジュース(750円)など。

 「生産者が丹精込めて作る素材を生かすために料理を作り続ける」と北村さん。「これからも何も変えずに、愚直に、ぶれずに、縁を大事にして進んでいきたい」と意気込みを見せる。

 営業時間は、11時30分~14時30分、18時~22時。火曜・水曜定休。

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