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三鷹のぶんしん出版から「文学する中央線沿線」 沿線ゆかりの作品を紹介

「文学する中央線沿線」の表紙

「文学する中央線沿線」の表紙

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 新宿以西のJR中央線沿線を描いた50人の作家の作品を紹介する「文学する中央線沿線~小説に描かれたまちを歩く~」が5月1日に刊行された。

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 版元であるぶんしん出版(三鷹市上連雀1)は武蔵野・多摩エリアの文化、歴史、自然をテーマとする本を多く手がける。著者の矢野勝巳さんは1978(昭和53)年、三鷹市役所に入庁し、長年文化事業に携わってきた。「没後50年太宰治展 心の王者」などの企画を担当し、三鷹市山本有三記念館館長、三鷹市文芸担当課長を歴任。退職後、中央線沿線ゆかりの文学者や沿線を描いた作品の調査研究を行っている。

 同書は矢野さんが中央線沿線各地で開講してきた講座の内容を1冊にまとめたもの。中央線沿線を舞台にした特色ある作品についてまちづくりに長く関わってきた矢野さんが、地域の視点から掘り下げ、合わせて現代作家が同沿線の風景をどのように認識して描いてきたかなどを考察する。

 村上春樹さんや多和田葉子さんらさまざまな作家の作品が登場する。吉祥寺・三鷹周辺では倉橋由美子の「暗い旅」、辻井喬の「彷徨(ほうこう)の季節の中で」をはじめ中山可穂さんの「白い薔薇(ばら)の淵まで」や、又吉直樹さんの「劇場」などを取り上げる。

 担当者は「中央線沿線には戦前より多くの著名な文学者が移住し、沿線の風景やそこに暮らす人々を描いた作品を発表してきた。それらの紹介を通し、沿線地域の街の魅力や歴史を再発見するとともに、地域の視点から小説の新たな魅力を発見してもらえたら」と話す。

 価格は1,870円。

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