見る・遊ぶ

三鷹市美術ギャラリーに作家・太宰治の常設展示室 自宅再現、原稿や絵画展示

太宰治が住んだ家の六畳間をイメージした「体験型展示室」の様子

太宰治が住んだ家の六畳間をイメージした「体験型展示室」の様子

  • 16

  •  

 「太宰治展示室 三鷹の此(こ)の小さい家」が12月8日、三鷹駅に直結した商業施設「CORAL(コラル)」(三鷹市下連雀3)5階の「三鷹市美術ギャラリー」(TEL 0422-79-0033)にオープンした。

太宰が描いた自画像などの絵画作品も展示する 提供:三鷹市スポーツと文化財団

 青森県で生まれた太宰は東京帝国大学入学を機に上京した後、1939(昭和14)年から1948(昭和23)年6月に亡くなるまで、三鷹の地で家族と暮らした。約12坪半の自宅は、自伝的小説をはじめ多くの作品の舞台にもなった。

[広告]

 三鷹市スポーツと文化財団の学芸員、吉永麻美さんは「2014(平成26)年に太宰の長女、次女から三鷹時代にまつわる資料の寄託を受けた。『三鷹に来たファンに、常時公開できるような施設ができたら』との希望もあった」と話す。

 同ギャラリーの第3展示室だった場所で、広さは約51平方メートル。「太宰が住んでいた家と庭を合わせた面積と同等の広さだったこともあり、さまざまな資料を基に太宰宅に見立てた展示室が完成した」(吉永さん)といい、同宅の三畳間、四畳半間、六畳間をイメージし、それぞれを「常設展示室」「企画展示室」「体験型展示室」で構成する。施設名「三鷹の此の小さい家」は、太宰が1941(昭和16)年に発表した「誰」に登場する一文から「コンセプトに一番合う」と選んだもので、本人の直筆文字を使う。

 「写真が唯一残っていた玄関はかなり忠実に再現していて、太宰宅を訪れたような気分が味わえるのでは。縁側から庭をイメージした場所には太宰が描いた絵画も展示していて、文学者としてだけでない新たな一面にも出合える。書斎を再現した『体験型展示室』には原稿用紙なども置いているので、自分の好きなフレーズを書くなど執筆体験も楽しんでもらえたら」と吉永さん。

 同ギャラリーの近くには、2008(平成20)年に開設した「太宰治文学サロン」もあり、これまで情報発信や朗読会などを行ってきた。「新たな展示室は美術ギャラリーとして管理面も整っているので、直筆原稿など貴重な資料も公開していくことができる。太宰の生活圏であった三鷹にある両施設を通して、作家、また家庭人としての姿、三鷹の歴史にも触れてもらえたら」と呼び掛ける。

 開館時間は10時~18時。観覧無料。月曜休館(祝日の場合開館し、翌日・翌々日休館)。