吉祥寺駅前のパブリックスペースを活用する実験的な取り組み「吉祥寺駅南口暫定広場活用実験~まちから~」を3月1日から実施すると武蔵野市開発公社が発表した。現在、広場への出店を希望する個人、事業者を募っている。
武蔵野市の外郭団体で「良きまちづくりに必要なことは何か」を考えながら、吉祥寺のまちづくりを進めている同社。事業を担当している主任・西山徹さんは「駅前のスペースを『誰もが入れる場所』から『誰もが使える場所』にリメークすることで交流とにぎわいを生み出し、個人を表現できる場にもできればと考えた」と話す。
同社は2021年、街中の空間を柔軟に使いこなすことを目的に「まちから からくりベンチ(略称・まちからベンチ)」を開発し、所有する商業施設コピス吉祥寺(吉祥寺本町1)B館角地に1台目を設置した。通常は自由に座ることができるベンチ形態になっているが、商品販売や宣伝などのポップアップストアを展開する際、容易に展示器具へと形を変えることができる仕組みになっている。
同広場を「スペースI」と「スペースII」に分け、新しいタイプのまちからベンチを設置し、有料の貸し出しスペースとして実験的に活用する。広さはそれぞれ約40平方メートル。約2平方メートルの展示台が利用可能で、商品展示台などを持ち込むこともできる。
平日2日と土曜・日曜・祝日のいずれか1日を合わせた3日間を貸し出しの基本単位とする。出店料は各スペースとも3日間で1万5000円(税別)。利用資格は同社が定めた規定の資格を満たす、代表者が満18歳以上の個人または団体。
西山さんは「広場をさまざまな人に活用してもらうことで、これからの駅前空間の在り方や使い方を考える材料にしていきたい。貴重なパブリックスペースが交流とにぎわいの結節点になれば」と話す。
実験の期間は3月31日まで。