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「吉祥寺うつわ処 漆芸家・棗芽清乃の事件手帖」刊行へ 吉祥寺舞台のミステリー

「吉祥寺うつわ処 漆芸家・棗芽清乃の事件手帖」の表紙

「吉祥寺うつわ処 漆芸家・棗芽清乃の事件手帖」の表紙

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 吉祥寺を舞台にした「吉祥寺うつわ処(どころ) 漆芸家・棗芽清乃の事件手帖(てちょう)」が1月20日に刊行される。刊行元はマイクロマガジン社(中央区)。

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 2019年に同社が「オトナ女子向け」に創刊した文芸レーベル「ことのは文庫」の新刊。大学に通うため東京に上京してきた主人公の花岬麻冬は、出席した授業で教授から、研究用の貴重な美術品を割った疑いをかけられる。失意の中ふと訪ねた店のあるじであり漆芸家の棗芽清乃との出会いをきっかけに、2人が壊れた美術品の真相を解き明かしていく物語。

 作者の穂波晴野さんは愛知県生まれ。出版社勤務を経てシナリオライターに転向後、同作で書籍デビューする。装画はイラストレーターの丹地陽子さんが手がけた。

 吉祥寺を舞台にしたきっかけについて、穂波さんは「作品の構想を練っている時期に、吉祥寺の近くで働いていた。吉祥寺サンロード商店街を歩きながら『この街角にこんなお店があったら』と想像を膨らませるようになり、謎めいた陶磁器の店主・清乃の着想を得た」と話す。

 井の頭公園内にある井の頭弁財天など、吉祥寺に実在するスポットも描かれる。「作中にはさまざまな年齢、性別、立場の人物が登場するが、全員が大切な人との絆を抱きしめて生きていて、彼らの絆が紡がれる『場所』にもこだわった。喫茶店は吉祥寺のとある老舗喫茶をモデルにした。麻冬が『ペニーレーン』(ロフト前)を歩くシーンと、吉祥寺駅前にある『ゾウのはな子像』を背に語らうシーンは特に気に入っている」と穂波さん。

 清乃の店で扱う陶器をはじめ、陶器の修復技術の一つである漆を使った「金継ぎ」という技術など陶芸や漆芸も盛り込む。穂波さんは「長年支持されてきた老舗も、真新しい雑貨やグルメを扱う店もどちらもあり、歩くほどに魅力が深まる吉祥寺という街。そんな街が好きで生まれた物語を読んでもらえたら」と話す。

 価格は781円。

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