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吉祥寺の「アマラ」で矢代諭史さん個展 音と動きのインスタレーション

「amala」での展示風景

「amala」での展示風景

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 矢代諭史さんの個展「V*(ヴイ)」が現在、吉祥寺のギャラリー「amala(アマラ)」(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-23-5875)で開催されている。

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 矢代さんは1981(昭和56)年生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科を卒業後、2003(平成15)年から自走するウーハーや自作の装置による展示や演奏を始める。横浜トリエンナーレ(2008年)ほか、チリや香港、シンガポールなど国内外のギャラリーやフェスティバルで演奏・展示活動を行っている。

 同ギャラリーで2年ぶりの展覧会となる同展はもともと3月に予定していたが、東京都による緊急事態宣言発令のため、見合わせていた。矢代さんは「予想できない事態の連続に翻弄(ほんろう)されながら、本質的に不確かな世界に生きているのだと実感することとなった。延期という空白の時間は、展示における感覚的な部分と実証的な部分のバランスをチューニングする貴重な期間でもあったと思っている」と話す。

 今回展示するのは、近年国内外で発表している「偶発性や不確定性を起点に変容する展示空間」にまつわるインスタレーション。「これまで自律的に動くデバイスや独自に製作した装置などを組み合わせて、音楽的な時間軸を構成するインスタレーションを展開してきたが、それは鑑賞者が展示空間に立ち入るなどの動きによって、毎回さまざまな装置が音や動き、光を連鎖的に発していくという特性を持っている。常に異なる、再現性が低い一過性の出来事が発生することは、自分の活動のベースにある即興的な演奏行為やパフォーマンスにも通じている」と矢代さん。

 ギャラリースタッフは「作品を一巡し、作家の世界観を理解されて『面白い』と言ってくれる人が多い印象を受ける」と話す。来場者からは「世界がどう見えているかを考えさせられる」「一見難しそうな作品だが、音や動きに絶妙なおかしみがあって楽しい展示」という声があったという。

 開催時間は金曜・土曜=14時~18時。祝日は休み。9月24日まで。

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