タータン生地をはじめ、タータンにまつわる作品などを集めた「タータン 伝統と革新のデザイン展」が12月8日から、三鷹駅に直結した商業施設「CORAL(コラル)」(三鷹市下連雀3)5階の「三鷹市美術ギャラリー」(TEL 0422-79-0033)で開催される。
ジョン・ケイ「バグパイパー アーチボルド・マッカーサー」 1810年 京都ノートルダム女子大学 図書館情報センター蔵
これまで日本ではあまり目にすることがなかったさまざまなタータン生地約100点のほか、19世紀前半にエディンバラで活躍した風刺画家ジョン・ケイの作品など、タータンにまつわる美術作品や資料を通じてその歴史や社会的、文化的背景を紹介する。
学芸員の富田さんは「日本でも毎年洋服に使われるなど、いろいろな柄が店頭に飾られて人気のデザイン。日用雑貨やインテリアなどの装飾にも使われ身近だが、実はタータンのことをあまりよく知らないと思ったのがきっかけになった」と話す。
「タータンの起源は、中央ヨーロッパに住んでいたとされるケルト人にさかのぼる」とし、「スコットランドの北西部ハイランド地方に定住したケルト人が日常着として用いていた織物をタータンと呼んだ」と説明する。
富田さんは「日本では『タータンチェック』という言葉を耳にするが、調べていくと和製英語で、本来は『タータン』というなど、新たな気付きも多かった」と話す。
「もともと生地から来ているものなので、布地そのものを展示したいと探した。普段身の回りで見掛けるものは代表的なデザインや売筋のデザインが多いが、今回展示する生地の中にはあまり目にしない柄や、シックでおしゃれなもの、配色が派手なものなどいろいろ並ぶ」とも。
子ども用のハイランド衣装や、タータンが使われた「VAN」の男性用スタジアム・ジャンパー、トンボ学生服、「REGAL」のチロリアン・シューズなども展示するほか、昭和初期の雑誌や昔の広告なども並ぶ。
1月6日14時~は「戦後のメンズファッションとタータン」と題し、服飾評論家のくろすとしゆきさんと、神戸タータン協議会会長を務める石田原弘さんによる対談を行う。
同20日14時~は、作家でタータン研究家の奥田実紀さんを講師に講演会「タータンの魅力」を予定する。定員は70人。参加無料。電話で要予約(先着順)。
「さまざまな視点からタータンが持つ意味を考えたり、多彩な色彩や洗練されたデザインを楽しんだりしてもらえたら」と来館を呼び掛ける。
開館時間は10時~20時(入館は19時30分まで)。月曜休館(12月24日、1月14日、2月11日は開館、各日とも翌火曜と12月29日~1月4日は休館)。観覧料は、一般=800円、65歳以上・学生(高・大)=500円。2月17日まで。