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吉祥寺の「エーケーラボ」でブラタモリ案内人トーク 江戸時代の吉祥寺の姿語る

吉祥寺の「「patisserie A.K Labo」で開催されたトークイベントの様子

吉祥寺の「「patisserie A.K Labo」で開催されたトークイベントの様子

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 吉祥寺の街の歴史をたどる企画展「あなたの知らない吉祥寺」に合わせたトークショーが、展示初日の8月18日、吉祥寺のフランス菓子店「patisserie A.K Labo(パティスリーエーケーラボ)」(武蔵野市中町3、TEL 0422-38-9727)で開催された。

「細かいところまで再現されていて嬉しい」と高橋さんが話す「短冊地割」サブレ

 展示では、昔の吉祥寺の地割りを図版にしたものや、昔の商店街のチラシ、かつての吉祥寺の様子を捉えた写真などを紹介する。

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 ゲストは長年、吉祥寺の歴史研究を続ける明星学園の社会科教諭、高橋珠州彦さんと、多摩や武蔵野地域を中心に、凸凹した地形や街並みを楽しむフィールドワークなどを行う、多摩武蔵野スリバチ学会の真貝康之さん。2人は2017年12月、「なぜ人は吉祥寺に住みたくなるのか?」をテーマに放映された「ブラタモリ」(NHK)に案内役としても出演。番組で語り切れなかった街の歴史を、スライドを交えて話した。

 江戸時代をテーマにした今回のトーク。真貝さんは、江戸の水源だった「井の頭池」弁財天への当時の参詣道を、現在の道の様子と比べながら解説。「旧甲州街道のある芦花公園駅近くには、『井の頭弁財天道 これより一里半』と記された参詣道の入り口を示す石碑が江戸時代から変わらず現存する」といい、「古道は谷を避け、尾根筋を通り、川を直角に渡るように通る。参詣道を実際に歩いてみると、今でも当時の面影や名残を多く見つけることができる」と話す。

 高橋さんは吉祥寺村の起こりと「短冊地割」について話した。「1657年『明暦の大火』で現在の水道橋駅近くにあった吉祥寺が焼失し、近隣の人々が移ってきて誕生したのが現在の吉祥寺の始まり。この時与えられたのが、五日市街道沿いに短冊状に地割りされた土地で、開墾前は遠くに富士山が見える一面のススキ野原であった」と高橋さん。

 「幅36メートル、長さ1140メートルの短冊地割に屋敷と畑、林を持ち農作業を行っていた。同様な地割りが残り、現在も農業が行われている三富新田(埼玉県)に比べると、吉祥寺の短冊地割は甲武鉄道(現在の中央線)が開通し、駅が出来て人口が増加するに連れ、急速に都市化する。短冊地割の土地の使われ方の変遷を追うと、繁華街が広がる現在の吉祥寺の街の成立過程も見えてくる」と話す。

 「ブラタモリ」を制作するNHKの三原直さんはトーク終了後「当番組を見て、住んでいる土地のことを知ってもらうことで、これからその街でどう暮らすか考えるきっかけにもなれればと思っている。話を聞いて吉祥寺の面白さ、人気がある理由を再認識した」と話した。

 9月4日まで続く展示期間中は、同店が手がける短冊地割を模した限定の皿盛りデザートとサブレも販売する。トークイベントは今後も開催を予定する。