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吉祥寺のココマルシアターで「太宰」 フランス人監督が描くドキュメンタリー

小説家・太宰治をテーマにしたフランス人監督によるドキュメンタリー作品「太宰」

小説家・太宰治をテーマにしたフランス人監督によるドキュメンタリー作品「太宰」

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 吉祥寺の映画館「ココロヲ・動かす・映画館○(通称:ココマルシアター)」(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-27-2472)で7月28日から、小説家・太宰治をテーマにフランス人監督が製作した映画「太宰」が公開される。

映画「太宰」のワンシーン

 太宰の文学に影響を受け、その文章に呼応するように生きる日本人の生活に密着、彼らのつぶやきを捉える。2009年、山形ドキュメンタリー映画祭で初めて上映し高い評価を受けたがその後日本では上映の機会がなく、太宰没後70年の節目に当たる今年、同シアターで製作から10年の時を経てようやく一般公開される。

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 レオス・カラックス監督らの作品で助監督を務め、これまでにもドキュメンタリー作品の脚本家・監督を務めてきたジル・シオネさんと、マリー=フランシーヌ・ル・ジャリュさんがコンビを組んで作り上げた。ジャリュさんはフランス文化省の後援を受け、これまで「Sillence」(2004年)、「I don’t Want It」(2002)などの作品を手掛け、多くの映画祭や展覧会で上映された実績を持つ。

 太宰が生まれた津軽や、その後暮らした東京三鷹市などゆかりの地を回り、地域の人々の協力を得て完成させた。2人は「太宰は古典的な面を持っているが、私たちにとっては過去の作家ではない。彼は今でも現代性を持つ問いを発している」と話す。

 「映画に登場する人々は、突飛な振る舞いで太宰を賛辞する人もいるが、多くのファンは思考し、太宰を読み、再読することで太宰のある面に対して共感を抱き、太宰とともに生きている。太宰はまだ息づいている現代の作家なのだ」とも。

 太宰の長女である津島園子さん、作家で元東京都知事の猪瀬直樹さんをはじめ、パフォーマー、ホルン演奏家、イラストレーター、政治学専攻の学生、代替医療士、作家志望の学校職員らが登場する。

 同シアターを運営するココロヲ・動かす・映画社○の大森さんは「有名な俳優らを起用するのではなく、何気ない一般の日本人にスポットを当て、静かにその日常を描き出している。太宰をテーマにしながらも独特なアプローチで、日本のカルチャーを捉えた作品になっているのでは」と話す。

 これまでにも、カンボジア難民の子供を受け入れ育て、現地に小学校を多く建てたカトリック吉祥寺教会(武蔵野市)の神父である後藤文雄さんの人生を描いた「father」などの上映を行ってきた同シアター。

 大森さんは「今後も地元にゆかりのある作品を提供していきたいと思っている。太宰をあまりよく知らない方にも、リアルな人々の日常から太宰が残した小説の一端に触れてもらえたら」と来館を呼び掛ける。

 上映時間は110分。