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「かえる食堂」の刺しゅうや焼き菓子、吉祥寺のギャラリーで展示販売

「吉祥寺は居心地のいい街」と話す「かえるちゃん」こと松本朱希子さん

「吉祥寺は居心地のいい街」と話す「かえるちゃん」こと松本朱希子さん

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 吉祥寺・大正通りの「ギャラリーfeve(フェブ)」(武蔵野市吉祥寺本町2、TEL 0422-23-2592)で現在、「かえる食堂 ちいさな刺しゅうとおいしいもの」が開かれている。

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 かえる食堂を主宰するのは料理家の松本朱希子さん。京都の大学在学中に料理家・平山由香さんのアシスタントを経て、井上由季子さん主宰の「モーネ工房」で暮らし回りについて学ぶ。工房のスタッフに作った弁当が好評で、賄いのランチを出したことから「かえる食堂」をスタート。結婚を機に東京に移り、店舗を持たないまま著書やイベントなどを通じて、広島県呉市の実家から届く旬の食材を使った料理を提案している。「かえる」は、松本さんが着ていたシャツにカエルのイラストがあったのを見て、井上さんが名付けたニックネームという。

 同展では、松本さんが書きとどめた野菜や植物、生き物のスケッチをもとにミシンで刺しゅうした白地のハンカチやカーテンのほか、スケッチを絵付けしたココット皿、一輪ざしなどに使える陶器などを展示販売。梅干し、ジャム、アップルパイ、レモンケーキ、カステラなども販売する。有機栽培による食材を用いた食べ物はいずれも好評で、「やまぶどうと青みかん」「紅玉とバラの実」の2種類のジャムは3日で売り切れた。会場には松本さんのスケッチブックのほか、実家から届けられたバラの実やヒイラギなどの草花も飾る。

 大学生になって一人暮らしを始めた際、実家の食卓のものが恋しくなり、祖母や母に聞いたりしながら料理作りを楽しむようになったという松本さん。実家の段々畑で育つ野菜や草木が届く度に、春夏秋冬よりさらに細かな季節の移り変わりを感じ、「今度はどんなものを作ろう」と楽しい気持ちが沸いてくる。刺しゅう作品の基になっているスケッチは、同じ野菜でも毎回姿が異なることに刺激を受け書きとめるようになった。今では、自宅のカーテンや手拭き、瓶にかける布などにもワンポイントに刺しゅうを施しては、植物などがそこに飾ってあるような情景を楽しんでいる。

 同ギャラリーでの「かえる食堂」の展示は今回が初めて。ギャラリーの引田かおりさんは「著書で、字を書くようにミシンを動かしているような刺しゅう作品を見て、どんな風に展示できるか楽しみにしてきた。緻密だが身近で、『私にもまねできそう。やってみようかな』という気持ちになれる」と話す。「酸っぱい梅干しは体が浄化されるようなおいしさ。松本さんの手掛けるものは、どれも繊細だが、おおらかな彼女の人柄そのもの。手に取った人を癒やしたり元気づけたりしてくれる」とも。

 営業時間は12時~19時(最終日は17時30分まで)。11月26日まで。

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