吉祥寺の老舗喫茶店「ボア」が閉店-50年の歴史に終止符

ボアの名物になっている壁に掛けられた東郷青児画伯の巨大な絵画

ボアの名物になっている壁に掛けられた東郷青児画伯の巨大な絵画

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 画家の東郷青児さん、詩人のねじめ正一さんら多くの文化人に愛された吉祥寺の老舗喫茶店「ボア」(武蔵野市吉祥寺南町1、TEL 0422-22-5907)が、9月末に閉店する。閉店の理由は、店舗の立地場所が駅前広場の整備予定地となり、老朽化した店の増改築や建て替え申請などが却下されたためという。

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 同店は昭和22年に和菓子の製造、卸売の会社として創業。昭和33年に喫茶店となり、洋菓子の取り扱いを始めるようになった。「今でこそ吉祥寺にはケーキ屋がたくさんあるが、当時、ケーキは高級品。取り扱う店はほかに1~2件ほどだった」と創業者・星野智衛さんの娘で現オーナーの星野栄美さんは振り返る。

 「アップルパイは、俳優の中村梅之助さんが当時まだ幼かった息子の中村梅雀さんへのお土産によく買いに来た。玉子サンドは、ねじめ正一さんのお気に入りだった」と話す星野さん。ケーキの販売は数年前に終了してしまったが、現在も店内ではパフェやあんみつなどのデザートに加え、トーストやサンドイッチなど定番の喫茶メニューが味わえる。

 閉店に際して、店の備品の引き取り先を募集しており、希望の値段をつけて投票箱に応募するオークション方式で希望者を募る。同店のシンボルとなっている東郷青児画伯の巨大な絵画の引き取り先が未定とのことで、「欲しい方はお早めに」(星野さん)とも。東郷画伯デザインの包装紙、マッチなども販売中。

 営業時間は10時~19時30分。水曜定休。

ボア(ホームタウン吉祥寺)

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