女性アーティストが吉祥寺で「緊張感」漂う個展-「建築」が土台

松原慈さんの個展「PUBLISHED」のDM

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 吉祥寺のアートスペース「Art Center Ongoing(アートセンター・オンゴーイング)」(武蔵野市吉祥寺東町1、TEL 0422-26-8454)は現在、松原慈(まつばらめぐみ)さんの個展「PUBLISHED」を開催している。

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 同ギャラリーの小川希さんは、松原さんの作品世界について「『存在・不在』『反射』『バランス』『透明・不透明』『動き』『視界『コンセプトや思考』など、多くのキーワードが浮かび上がる空間。『建築』という土台や手法の上に、『美学』『社会学』『音楽』などさまざまな領域の思考方法が、多層的に織りなされ構築されている様相を見てとることができる」と話す。

 1977(昭和52)年生まれの松原さんは、東京大学大学院学際情報学府と、ロンドン・バーレット建築学校の両校で修士号を取得。在学中より、世界各地の展覧会に参加するほか、展覧会場の空間構成やアートディレクションを手掛けてきた。複合領域的な活動を多彩な分野で実践する「assistant」の創設メンバーでもある。2001年から、国内外で展示やワークショップを行ってきた。

 今月8日には、ゲストに音楽評論家の荏開津広さんを迎え「DISTRACTED TEA PARTY 落ち着かないお茶会」を開催。特別な視聴覚環境の下、「対話の不可能性」を探求する。開催は16時~。入場料は1,000円(要ドリンクワンオーダー)。翌9日には、作家本人による展示作品の解説を交えて「Pre Ongoing School レクチャー」も行う。開催は15時~。入場料は1,500円(ケーキとドリンク付き、先着30人)。

 松原さんは「『そこにあるわたし』が『そこにあるもの』を手折り、香り、運び、閉じ込め、結局のところ手放し、再び別の場所へ差し出す一連の動作の完了を『PUBLISHED』と呼びます。PUBLISHEDは、アートセンター・オンゴーイングで展示された後、ばらばらにされ、スウェーデンのアートパブリケーションMUSEUMPAPER1000部の誌面上に巡回します」とコメントする。

 小川さんは「松原さんの作品には、意味を読み取るという行為自体がそもそも可能なのかどうか、見る者に問いかけてくるかのような緊張感が漂う。彼女の新たな試みをぜひ多くの方に拝見していただければと思う」とも。

 営業時間は12時~21時。月曜・火曜定休。今月9日まで。

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