沖縄で仕立てたアロハシャツを販売する専門店「Eanbe(いあんべ) Tokyo」(武蔵野市吉祥寺本町4、TEL 080-6246-1055)が吉祥寺の中道通り沿いにオープンして、11月20日で2カ月がたった。
「Eanbe」が沖縄のハワイアン家具専門メーカー「MARTAC(マータク)」に注文して作ったソファとテーブルと額など
同店はアパレルブランド「Eanbe」を展開する2021年設立のマエノリ(杉並区)が経営。沖縄で旗艦店「Eanbe FLAGSHIP STORE」(沖縄県北谷町)を営業するが、常設店としては吉祥寺が2店舗目で、沖縄以外への出店は初となる。
「Eanbe」は、沖縄の方言で、気分がいい時に使う「いいあんべぇ」が語源。店長の阿部竜士さんは「お酒を飲みながら気持ちよくなってきたときの気分。着たらそんな気分になれるアロハシャツを作りたいとう思いから付けた」と話す。
社長の下地希一さんは、吉祥寺とは以前から接点があり、「2店舗目は吉祥寺と決めていた」という。
中道通りは、下地さんが今年「歩いていて、ローカルだけどにぎわっているところが沖縄店に似ている」と気に入ったという。「その足で不動産店に飛び込んだら物件が空いていたので即決した」と振り返る。
会社は今年5年目だが、「Eanbe」を立ち上げたのは、2019年。下地さんが「アロハシャツが大好きで、年中着ている自分が自信を持って薦められるシャツを作りたい」との思いから始めたという。
柄には「社員の趣味」を取り入れた。「ハワイアンの既存の柄をそのまま商品にしたのでは面白みがない。製作者の思いやメッセージを伝えたい」と相撲や桃、ギャンブルや酒などの柄を提供する。
生地はSDGsを意識して、再生可能な繊維のセルロースを使う。デザインは下地さんと企画チームが担当。デザイナーは商品ごとにインスタグラムなどを通じて依頼する。プリントは「複雑な柄を色のメリハリをつけて表現」するため、国内の染工場で職人が手作業で一色ずつ染める「手捺染(なっせん)」を選んだ。仕立ては沖縄の職人の手縫い。1柄の制作数は100着以下。
約40平方メートルの店内には、沖縄のハワイアン家具専門メーカー「MARTAC(マータク)」(沖縄県宜野湾市)に発注したラタンとマホガニーを基調としたタンスやカウンター、額などを置く。アロハ柄をソファ用に変えた生地で作ったソファとテープル1卓を備える。
アイテムは、東京店舗限定色のライトブルーを使ったアロハシャツ「純情ロスタイム」(3万4,800円)、ブランド初のデニムアイテムで岡山生産の生地で仕立てた「Denim Cover All」(3万9,800円)と「Denim Pants」(2万9,800円)など。他にアロハ柄で作った長方形のバンダナ(2,480円)、巾着(3,000円)など。常時、シャツ約10枚、パンツ3枚、靴下などのグッズ20~30点を用意する。
オープンから2カ月。「近所に住む人や買い物で普段から吉祥寺を利用する人の来店が徐々に増えている」と阿部さん。「世界一のアロハブランドを目指す『Eanbe』は、アロハをまとうことで都会の中でも南国を感じてほしいと願っている。ファッション感度の高い人から地元の人まで『いいあんべぇ』の気分を味わってもらえたら」と来店を呼びかける。
営業時間は13時~19時。木曜定休。