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吉祥寺の音楽酒場「ハバナムーン」が移転 7年半ぶりの営業再開から半年

吉祥寺の中道通りで営業する「ハバナムーン」の看板と入り口

吉祥寺の中道通りで営業する「ハバナムーン」の看板と入り口

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 吉祥寺の音楽酒場「ハバナムーン」(武蔵野市吉祥寺本町4)が中道通り沿いに移転、7年半ぶりに営業を再開して、1月3日で半年がたった。

「ハバナムーン」の店内に並ぶ約3,000枚のLPレコード

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 1995(平成7)年、吉祥寺駅南口にオープンした同店。店主の木下聡之さんは「吉祥寺は中央線沿線の街の中では風通しが良かったことと自分が『らいふはうすのろ』の常連で、店主の加藤さんに世話になったことから吉祥寺を選んだ」と当時を振り返る。

 2007(平成19)年には五日市街道近くに移り、2015(平成27)年まで営業を続けたが閉店。再開に向け店舗を探したが手頃な物件が見つからず、「これで駄目だったら吉祥寺以外の場所を探そうと最後に入った不動産店でこの物件を紹介された」という。「中道通りの奥で立地は良くないが、ハバナムーンの常連で、2005(平成17)年に逝去したフォークシンガーの高田渡さんに最後に会ったのが、紹介された店舗の目の前だったことから、これは運命だと感じ契約を決めた」と話す。

 「半年たって中道通りに住む人の感じがつかめてきた。吉祥寺で長く営業しているので常連は来店するが、地域住民に愛される店になりたい」と意気込みを見せる。

 店内にはLPレコード約3,000枚、CD 約1,600枚を用意。「マニアが集う店にしたくない。音楽はあくまでもBGM。酒場のメインは他人とのおしゃべりだから、しゃべる声より少し大きめの音量が心地良い。お客さまの声のトーンなどや人数、座る配置に合わせて一番フィットする音像を選んでいる」と木下さん。「一人でボーっとする人も尊重したい」とも。「最良の音を届けたい」とオーディオのセッティングにも気を配る。

 店舗面積は約9.5坪。L字型のカウンターに11席を用意。接客から料理などを木下さんが一人で切り盛りする。内装やデザインを全て手がけたのは友人の田嶋さん。看板はバンドネオン奏者でイラストレーターの大久保かおりさんが描いた。

 ドリンクは、ハートランド(小瓶600円、中瓶700円)、焼酎(600円)、ワイン(700円)など。日本酒は木下さんの出身地、埼玉の地酒「枡川」(清酒600円、純米750円)を常時提供する。おつまみは200円から。

 「初めて自分が生きていていいんだと認めてもらった街、吉祥寺。残りの人生は地域還元で尽くしたい」と木下さん。「今は絶滅危惧種となったジャズ喫茶以外で音楽を聴かせる店が吉祥寺に一つくらいあってもいい。これだけの音源があるので、若い世代にはぜひ図書館のように使ってもらえたら」と来店を呼びかける。

 営業時間は18時~翌1時。休業日はSNSで知らせる。

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