古民家の雰囲気を生かしたレンタルスペース「シフクノ桟敷」(武蔵野市吉祥寺本町2、TEL 0422-88-2751)が10月27日、吉祥寺・中道通りの「シフク食堂」2階にオープンする。
2周年を迎えた「シフク食堂」のエントランス。2階がレンタルスペース「シフクノ桟敷」
店主の榎本なつみさんが大学でデザインを学んでいた頃から抱いていた「作品を集めて見せる場所を作りたい」との夢を実現させた同スペース。「開業時にはたくさんのチャンスや激励をもらい、吉祥寺で2年間店を続けることができた。3年目の挑戦として恩返しにシフク食堂が誰かの支えや挑戦するチャンスを与える場になりたいと、空いていた2階に手を入れて多目的で使える部屋を作った」と経緯を話す。
スペース名の「シフクノ桟敷」は、吹き抜けからシフク食堂を見下ろすことや、商店街を2階の窓から眺めることができる特等席ということから「桟敷」という言葉を選んで付けたという。
榎本さんが内装を手がけた「コの字」型の空間面積は8.8平方メートル。2階へは店の奥にある階段を上がって入る。
利用料は、半日(1時30分~15時・16時~20時、他要相談)=平日5,500円、土曜・日曜・祝日9,900円、全日=同8,800円、同1万6,500円。1階の壁面も展示に使える「1週間貸し出しプラン」も用意する。利用料は5万5,000円。利用にはシフク食堂との相性や出展の雰囲気などを確認するため簡単な審査がある。
オープニングイベントでは、榎本さんの大学時代の学友で、「おかしな日常=異日常」をテーマに描くイラストレーター・漫画家の鈴木夏菜さんの個展「KYOKKAI+」(きょっかいプラス)を開催する。テーマは「曲解(きょっかい)」で、なじみのある日本語の単語やことわざを、ねじ曲げた解釈でイラストに落とし込んだ。
今回は原宿で9月に開いた個展「KYOKKAI」の作品に加えて、新作として10月15日に2周年を迎えた同店とのコラボ作品を発表。イラスト原画も展示する。販売は、ロングスリーブTシャツ(3,500円)、トートバッグ(2,500円)。鈴木さんはTシャツやステッカー、ポストカードなども販売する。
「食事をした人が2階のイベントのことを知る。桟敷でイベントを見た人が1階で食事をするというように、『人と文化が交わる交差点のような食堂』を目指したい」と榎本さん。「2階は新たな挑戦に向かって前進している人に使ってほしい。多目的室なので、個展だけでなく、八百屋、花屋、農家など面白いことができたら」とも。
「食堂の2階という環境が、新たな出会いやきっかけを生み出す。自由な発想で癖のある空間を楽しんでもらえたら」と来店を呼びかける。
営業時間は11時30分~20時。木曜定休。個展展示は11月28日まで。