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牛乳パックのエコ商品 武蔵野障害者総合センターが開発・販売

新商品の油吸着材は武蔵野障害者総合センター1階ロビーで販売。

新商品の油吸着材は武蔵野障害者総合センター1階ロビーで販売。

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 武蔵野障害者総合センター(武蔵野市吉祥寺北町4)内にある「デイセンター山びこ」が油吸着材を開発し、同センター1階ロビーで7月から販売を始めた。

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 牛乳パックをリサイクルして作る同商品は、化学薬品を使わず全工程を手作業で行っている。ピンポン玉ほどの大きさの商品で、油の入った鍋に何個か入れると油をすぐに吸着する。調理後の熱い油、冷めた油の両方に対応。使用後は可燃ごみで破棄できる。

 同商品を開発した「デイセンター山びこ」は、中度・重度の知的障がい者や自閉症スペクトラム症の方が通所する生活介護事業所で、創作活動とリサイクル活動を日中活動の主軸としている。創作活動でできた織物やコピー用紙をリサイクルして製作した「だるま」の販売、アルミ缶や牛乳パックのリサイクル、公園等の清掃など、内容は多岐にわたる。

 今回の商品開発に当たり、同センター職員の阿部理良偉(りらい)さんは「これまでにない内容の創作活動ができないものかと考え、日々回収している牛乳パックに着目した」と話す。2020年にパルプに着目して製品開発を進め、1年ほどかけて現在の油吸着材の形にたどり着いた。「利用者と職員で一丸となってものづくりをしよう」と目標を掲げ、さまざまなパルプ製品の試作を続け、2021年には製品として形になったが、その後、微調整や性能に関して実験を重ね、商品化するまで2年かかった。

 武蔵野クリーンセンターで6月に開催されたエコマルシェで同商品を出品し、来場者から好評だったため、同センターでの販売を始めた。

 「牛乳パックの回収から成形、パッケージングまで全ての工程に、利用者の力は不可欠。油吸着材は、一粒一粒を全て手作業で成形している。一人一人得意なことが違うからこそ、個々の得意を集めて結晶化したものが、この商品ともいえる」と阿部さん。

 「障がい持つ利用者の皆さんと一緒だったからこそ、素材の良さを最大限に生かした商品を生み出せた。牛乳パックをリサイクルした、3Rにおいて環境に配慮したエコ製品ということも特徴」とも。「機会があれば、次回のエコマルシェや販売会「輪っかになろう展」にも出品して、多くの方に知っていただき、手に取っていただけたら」と意気込む。

価格は1セット100円(60グラム)。

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