絵描きでイラストレーターのちなみさんの個展「さいわい」が5月24日から、吉祥寺の古書店「百年」と「一日」（以上、武蔵野市吉祥寺本町2）の2店舗で同時開催される。

　「百年」は「コミュニケーションする本屋」をコンセプトに、さまざまなジャンルの本やリトルプレス、ZINE（個人が作った冊子など）を販売するほか、展示も行う。「一日」は2017（平成28）年8月に、「百年」から徒歩1分の場所にオープンした書店で、店内に設けたギャラリースペースで展示やイベントを行う。

　ちなみさんは東北芸術工科大学卒業。パレットクラブスクール24、25期を修了し、「ザ・チョイス」第218、224回入選や、「HB FILE VOL.33」池田進吾特別賞など受賞歴がある。今回の展示について、ちなみさんは「吉祥寺はギャラリーも多く、文化的な街として多くの人に開かれた街だと感じている。古本屋としてはもちろん、ギャラリーとしてもアートやカルチャーを発信している同店は、以前から大好きで作家として憧れの場所だった。今回声をかけてもらい、個展ができることは夢のようでうれしく思う」と話す。

　「人々の『思い』という実在のないもの（小さな声）をどう形にし、残してきたのかが感じられる」と、日頃から民芸店や古物店、のみの市などによく足を運ぶというちなみさん。「展示が決まり『小さな声で歌っている』という言葉が思い浮かんだ。小さな声で歌うちっぽけな存在を肯定したいという気持ちにたどり着き、タイトルを『さいわい』にした。自分の思う歌のイメージが表れて、作品たちがそれぞれ好き勝手に歌っているような雰囲気が出せたのではないかと思う」と話す。

　開催時間は12時～20時（「一日」は19時まで）。火曜定休。6月4日まで。