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吉祥寺に台湾家庭料理の専門店 テークアウトの日替わり弁当やおかずも

井の頭通り沿いで営業する「台湾屋台飯・小吃 祥福堂」の外観

井の頭通り沿いで営業する「台湾屋台飯・小吃 祥福堂」の外観

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 日替わり弁当の魯肉飯(ルーローファン)や肉圓(バーワン)など台湾家庭料理を専門に提供する「台湾屋台飯・小吃 祥福堂(しょうふくどう)」(武蔵野市吉祥寺南町4、TEL 0422-26-9280)が吉祥寺の井の頭通り沿いにオープンして、5月22日で2カ月を迎える。

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 台湾人を両親に持ち、日本で生まれた店主の黄田(おおた)祥治さんが「いつも家庭で食べているが、日本ではまだあまり知られていない台湾の料理の味を届けたい」と始めた同店。昨年12月まではIT企業に勤めていた黄田さん。「吉祥寺の中でも変化が激しい街の中心ではなく、少し外れた自分が育った地元にいつか店を出したい」と考えていたが、運よく今の物件に出合い、「今がその時」と出店を決めたという。親戚は全て台湾にいるので、幼い頃から遊びに行ったり、個人的に幾度も旅行したりした台湾に今年1月から2月にかけて訪れて準備し、オープンにこぎ着けた。

 店名は自分の名前や吉祥寺に使われ、台湾でも縁起の良い字とされる「祥」に、「福がいつも来るように」と「福」と「人が集う場所」という意味の「堂」を組み合わせて付けた。「店が地域の人や台湾好き、台湾に興味を持つ人が集まって、他愛(たあい)のない話ができる、にぎやかで自由な場所になってほしい」という願いを込めたという。

 店舗面積は約10坪。イートインスペースとして8人ほどが座れるベンチシート席を備える。

 日替わり弁当は甘辛く煮込んだ豚肉をのせた「魯肉飯(ルーローファン「油飯(台湾おこわ)」、自家製タレをかけた鶏肉をのせた「鶏肉飯(チーローハン)」(以上560円)。他に米粉とタピオカ粉を用いた皮の中に豚肉やタケノコ、シイタケなどの具材を包んだ「肉圓(バーワン)」(1個350円、弁当とセットで300円)、ニンニクを加えた台湾しょうゆをかけた「蘿蔔ガオ(ローポーガオ=大根餅)」2個)、タピオカと卵を使ったクレープ「蛋餅(タンピン)」(以上1個380円、弁当とセットで350円)など。豆乳を使った台湾の定番スイーツ「豆花(トウファ)」(シングル350円)はタピオカ、小豆などをトッピングできる。ドリンクは日替わりで鉄觀音(ホット・アイス450円)など台湾茶を提供。冬瓜茶(アイス500円)などフルーツティーも。

 「オープン当初は知らない料理に興味を持った近隣住民が買い求めて売り切れになり、うれしい悲鳴だった」と振り返る。カフェタイムとしてデザートなどの提供を想定していた15時30までの営業時間を1時間30分繰り上げ、ランチタイムで売り切れた食事やおかずを夕方以降にも一定数提供するための仕込みの時間を設けるなど工夫した。それでもメニューは全て黄田さんが1人で手作りすることを貫くため、作る数に限りがある肉圓は午前中で売り切れる日もあるという。

 2カ月がたち、「日本ではなかなか食べられる店が少ない肉圓を知っているお客さまも多く、台湾料理への関心が想像以上に高いことを実感している」と黄田さん。「台湾料理のファンになったとの客さまの声を聞くと、今後も一層頑張ろうと前向きな気持ちなる」とも。

 「店名に使った『祥』には、変化を繰り返して、進歩や発展をしていく意味がある。これからは季節の食材を使ったメニューを増やすなど常に前を向いて挑戦していきたい。店が地域のコミュニティーの場となり、『台湾料理』という文化を発信する地の一つになれたら」と意気込みを見せる。

 営業時間は11時~14時、16時30分~19時。土曜・日曜・祝日定休。

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