「中川五郎をいま、読む、きく」展が7月1日、吉祥寺の「gallery shell(ギャラリー シェル)102」(武蔵野市吉祥寺南町2、TEL 0422-29-8900)で始まった。
1960年代からフォークシンガーとして活動を続ける中川さんの詩に、画家の「Mariya Suzuki(マリヤ スズキ)」さんが絵を添えた「読む展示」の同展。中川さんは1949(昭和24)年、大阪生まれ。1960年代半ばからアメリカのフォークソングの影響を受けて曲や歌を作り始め、1968(昭和43)年に「受験生のブルース」などを発表。1970年代は音楽に関する文章や歌詞の対訳などを中心に活動し、1990年代以降は小説の執筆や、米国人作家チャールズ・ブコウスキーの小説の翻訳なども手がけている。
店主の鈴木知子さんは「歌い始めて55年目の五郎さんの言葉には時を経てもリアルな重みがあり、また今だからこそ胸に響く言葉と歌がある」と話す。
絵を手がける「Mariya Suzuki」さんは奈良県生まれ、東京在住。米カリフォルニア州でイラストレーションを学び、書籍、広告、ウェブなどにイラストを提供するほか、オフィスや商業施設の壁画なども手がける。
7月2日はピアニストで作曲・編曲家の谷川賢作さんをゲストに招き対談を行った。鈴木さんは「父である谷川俊太郎さんの詩に五郎さんが曲をつけるなど2人の交流、そのころの社会を息子の賢作さんが音楽と共にひも解いた」と話す。
同9日は「ふたりの朗読」と題し、小泉今日子さん、沢田研二さんなどの作詞を手がける詩人・作詞家・シンガーソングライターの覚和歌子さん、17日はミュージシャン・作詞家・プロデューサーのサエキけんぞうさん、18日はミュージシャンの松浦湊さんと中川さんの対談を予定している。
鈴木さんは「サエキさんは、フォークソング活動が活発に行われ音楽の街と言われたころの吉祥寺や、伝説のライブバウス『ぐゎらん堂』について語ってもらう。当時大ヒットした高石ともやさんの『受験生ブルース』の真実に迫ろうと、原曲を五郎さんに歌っていただく。覚さんと五郎さんという画期的な組み合わせ、コアな視点から当時や現在の世界について話す松浦さんも見てもらいたい」と来場を呼びかける。
開催時間は12時~19時(金曜・土曜は20時まで。イベント時は開始1時間前まで)。月曜・火曜は予約観覧のみ。水曜定休。7月18日まで。