舞台「ぞうれっしゃがやってきた」が8月7日から吉祥寺シアター(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-0911)で上演される。
絵本「ぞうれっしゃがやってきた」(小出隆司・作、箕田源二郎・絵/岩崎書店 刊)
実話を元にした同名の絵本が原作の新作オリジナル長編作品。第2次世界大戦が始まり動物園の動物たちが殺される中、物語の舞台となる名古屋の東山動物園では2頭のゾウが生き延びた。当時、国内にいたゾウはこの2頭だけだったとされる。絵本は、動物園にゾウがやってきた日からその12年後に特別列車「エレファント号」に乗って全国の子どもたちがゾウに会いに来るようになるまでをつづる。
同シアターの大川智史さんは「2019年8月、『武蔵野市非核都市宣言平和事業』のために劇作家、演出家の吉田小夏さんに委託して製作し武蔵野プレイスで初演した短編の芝居を新たにファミリー向けの長編作品として再構成し、上演する」と話す。
短編に続けて脚本・演出を手掛ける吉田さんは、劇団「青☆組」主宰・劇団「青年団」演出部所属。「雨と猫といくつかの嘘」など4作品で日本劇作家協会新人戯曲集に入賞したほか、近年はラジオドラマの脚本や子どもに向けた演劇の創作などで活動している。
全7公演。8月8日11時の回のみ未就学児も入場可。10日14時の回は「むさしのティーンズday」で、高校生以下は特別料金(500円)で鑑賞できる。
大川さんは「歴史の表舞台には現れない戦争の日々を懸命に生き抜こうとした人々や動物の姿を大胆な想像力と美しい日本語でドラマティックに描き出している。戦争を知らない世代が大多数となった今、8月15日の終戦記念日を前に、観賞後に家族で作品や戦争についての対話が生まれるきっかけになれば」と期待を込める。
開演時刻は、7日=14時、8日=11時・16時、9日=19時、10日=14時・19時、11日=14時。料金は、大人=2,500円、武蔵野市民・アルテ友の会=2,200円、25歳以下=2,000円、高校生=1,500円、中学生以下=1,000円。8月11日まで。