吉祥寺シアター(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-0911)が7月15日から、劇作家・本橋龍さんと本橋さんが主宰する演劇ユニット・ウンゲツィーファを迎え、連ドラ演劇と題し「一角の角(いっかくのすみ)」を制作、5日間連続配信する。
3月から開館を自粛、6月8日に再開した同シアター最初の企画で、無観客による演劇公演。期間中、1日1シーンずつ作品を制作し、その成果を毎日10~15分程度、20時からインターネットで無料ライブ配信するほか、制作過程もウェブ上で随時公開する。
本橋さんと同ユニットは、昨年7月に「同時代劇作家プログラムvol.2」にも参加し、公募の参加者と共にワークショップで創作した作品「ごめんなさいの森」をリーディング上演した。1990(平成2)年さいたま市出身の本橋さんは、高校の部活で演劇を始め、尚美学園大学で演劇を学ぶ。2013(平成25)年に大学を中退し実家から家出、自身の創作ユニット「栗☆兎ズ」で劇作家活動を本格的に始める。8回の演劇公演を経て、ユニット名を「ウンゲツィーファ」に改名。上演作品「動く物」が2017(平成29)年度北海道戯曲賞大賞を受賞し、以降も2年連続で優秀賞を受賞した。
本橋さんは「近頃『皆他人に興味ない』ってことを感じる日々だった。自分含めて。例えば演劇は、鑑賞者もプレーヤー的意識の下にいる部分がある。それでいいじゃないか。僕もあなたも勝手にやろうぜ。吉祥寺シアターで気の合う仲間たちと遊ぶことにした。楽しみ」と話す。
新型コロナウイルス感染症の影響で公演中止となり、急きょ連ドラ化して撮影・配信を行った、映画美学校アクターズ・コース2019年度公演「シティキラー」(本橋さんが脚本、演出を担当)と同様、映像作家・和久井幸一さんが映像を担当する。担当者は「編集された全編映像も後日有料で配信する予定。劇場に人々が集まり、そこに作品が生まれる様子を楽しんでもらえたら」と呼び掛ける。
7月19日まで。