ルーマニア・ブラショフ市から武蔵野市を訪れている市民団が1月26日、武蔵野総合体育館(武蔵野市吉祥寺北町5)で行われた「Sports for ALL 陸上」にブースを出展し、ルーマニアの魅力を伝えた。
1992(平成4)年、武蔵野市ほか3市が共同で、当時同市出身の曽我大介さんが指揮者を務めていたルーマニア国立ジョルジュ・ディマ交響楽団を日本に招聘(しょうへい)したことをきっかけに、同市とブラショフ市の友好交流が始まった。1998(平成10)年には、ブラショフ市内に日本語や日本文化が学べる「日本武蔵野センター」を同市と共同で設立し、現在約80人が学習している。
市民団は同市が行う「東京2020大会半年前イベント」を目的に招聘したもので、選考で選んだ同センターに通う高校生から大学院生の3人と、ブラショフ市公募で選ばれた社会人、通訳の5人が来日した。同市交流事業担当の大杉由加利部長は「幅広い年代からの応募があった。作文による選考だったが、日本語の勉強を始めた理由や、興味のある日本文化について熱心に書かれていた」と振り返る。
会場ではジュニアかけっこ教室、亜細亜大学陸上競技部によるランニング講座のほか、車椅子レーサー、スポーツ義足、ブラインドマラソンなどの体験会、リオオリンピック出場者らによるゲストトークも行われ、ブースにも親子連れを中心に立ち寄る来場者が見られた。ルーマニア語で「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」と書いたプリントを配布し、市民団は訪れた人たちとルーマニア語で交流、ブラショフ市の街並みが写ったポストカードを手渡した。
民族衣装を身に着けたミルナさんは「曽祖母が手作りした100年近く前のもので、地方によって服の形や刺しゅうが違う。最近では着られる機会は少ないが、ルーマニアの手作り文化にも興味を持ってもらえたら」と話す。
大杉部長は「来日後ホストファミリーと都内を観光したり、今後は市内の小学校を訪れ、ルーマニアにはない給食を試食したりするなど予定している。まだホストタウンであることを知らない方も多いので、イベントをきっかけに認知度を高めていけたら」と期待を込める。