女流棋士の小林泉美六段が手掛けた絵本「いごってなあに?」が7月1日、三鷹武蔵野を拠点とするぶんしん出版(三鷹市上連雀)から刊行された。
ネコをモチーフにした碁石がつながったり、囲んだり、取られたりする様子や、十二単姿のネコが碁を打つ姿やなどを交え、囲碁の面白さを伝える。巻末には基本ルールが分かる4コマ漫画も付けた。
小林さんは東京都出身。囲碁棋士六段。女流タイトル獲得10 回。父は小林光一名誉棋聖、母は小林禮子七段。担当者は「絵本には、長く囲碁の普及活動を続けられているほか、2児の母として子どもたちに囲碁を教えてきた小林さんの、分かりやすく、易しい囲碁との出合い方のエッセンスが凝縮している」と話す。
同じく2児の母で、月間250万を超えるPV(ページビュー)のある育児4コマ漫画「トシコ、母になる。」などで活動する荻並トシコさんが絵を手掛けるほか、小林さんの夫で現「名人」の張栩(ちょう う)九段も協力する。
同出版社はこれまで井の頭恩賜公園開園100周年に発行した「井の頭公園100年写真集」や「吉祥寺今昔写真集」などを刊行している。担当者は「天文台を有する三鷹から発信する絵本として、「星と森の絵本」シリーズなども手掛けている。小林さんと荻並さんは共に中央線沿線に在住されていて、今回『同じ沿線で丁寧な本作りをしている』とおっしゃっていただき、一緒に協力して囲碁の面白さを地元から伝えていけたらと思った」と話す。
8月4日10時~12時には、出版記念イベント「夏休み!プロに学ぶ楽しい囲碁-考える力を身につけよう!-」を三鷹ネットワーク大学(三鷹市下連雀3)で行う。「自由で創造性に富む陣取りゲームは、思考力や集中力、記憶力、忍耐力など子どもたちに必要とされる力を養う教材とも言われている。読み聞かせのほか、簡易的な対局も体験してもらえたら」と担当者。対象は小学生とその保護者で、定員は30組。要予約。
価格は1,400円(税別)。