井の頭恩賜公園で行われきた3度のかいぼりの成果を報告し、自然再生について考える「第3回井の頭池 かいぼり報告会-よみがえる池・湧水・湿地-」が1月27日、「三鷹市公会堂」(三鷹市野崎1)光のホールで開催される。
かいぼりとは、従来農地などのため池の機能を維持するために欠かすことのできない管理作業の一つで、農閑期に水を抜き、魚を捕獲するなど、護岸の補修や点検などを行うもの。近年では、都市部の公園池などで、水質改善や外来魚の駆除などによる生態系の回復などを目的に行われる。
2017年に開園100周年を迎えた同園では、2013年、2015年、2017年と3度のかいぼりを実施。同報告会では、かいぼり後、多くの在来動植物の回復や、池の透明度の向上などが見られた成果などを報告する。
担当者は「一番の特徴は市民協働で取り組んだこと。多くのボランティアらとともに生物捕獲を行ったり、モニタリング調査などを行ったりした。報告会でもそうした活動の一端が伝わればと、まず『井の頭かいぼり隊』の皆さんが登壇し、かいぼり3回の歩みを報告する」と話す。
続いて、福岡県保健環境研究所の中島淳さんが「身近な湿地帯生物と共に生きる21世紀を目指して」と題した基調講演を行う。「今回はかいぼり後、現状池がどのようになっているかを知り、それを踏まえてさらに井の頭池がどうバージョンアップすべきか、将来に向けた今後の方向性などを一緒に考えられたらと、同講演をお願いした」と担当者。
ほかに認定NPO法人生態工房の八木愛さんによる「さようならブルーギル、在来種にぎわう水辺」など3つの井の頭池モニタリング報告と、東京都西部公園緑地事務所・内山香さんによる活動報告も予定する。
担当者は「過去2回にはなかった子どもたちによる発表も初めて行う」と言い、最後に同池の近くにある小学校の児童が「ボクたちから見た井の頭池」と題した学習を報告する。
合わせて会場ロビーには井の頭かいぼり隊、チームあか井の、神田川ネットワーク、ぶんしん出版、神田川上流懇談会ほかがブースを出店。「以前、水を抜いた同池で魚捕りイベントを行った際、陸地でテントを並べ、お祭りのようにブースを出していただいたご縁で、今回もお願いした。各出店者が活動を通して分かってきたことを発表したり、展示や解説を行ったりする」と担当者。
時間は13時20分~16時30分。定員350人(申し込み不要)。参加無料。