吉祥寺の変遷を伝える貴重な写真を数々収めた「吉祥寺今昔(いまむかし)写真集」がぶんしん出版から発売されて1カ月がたった。
1962(昭和37)年に三鷹で創業した「文伸」の出版事業部として、武蔵野三鷹エリアに密着した出版活動を展開するぶんしん出版。2017年には井の頭恩賜公園開園100周年に合わせ、「井の頭公園100周年写真集」「井の頭公園いきもの図鑑」を発行した。
写真集は吉祥寺地域の活性化を担う「一般財団法人武蔵野市開発公社」の50周年と、街の変遷を次代に伝えるため写真などの収集、管理、公開を目指す市民団体「吉祥寺今昔写真館委員会」の10周年を記念する取り組みとして、3者連携で編さんされた。
江戸時代の「明暦の大火」によって移住してきた住民たちによってできた吉祥寺村の起こりや、甲武鉄道の開通、吉祥寺駅の誕生、駅前通りの移り変わりなどを始め、これまでにアーカイブしてきた街や人々の姿、貴重な記録写真のほか、市民や企業、団体に呼び掛けて新たに収集した初出の写真や資料を掲載する。昭和初期の吉祥寺の商店の様子を伝えるすごろくや、百貨店のオープニングの様子を伝える写真やちらしも。
合わせて吉祥寺をテーマに放映した「ブラタモリ」(NHK)で案内役を務めた高橋珠州彦さん、「吉祥寺横丁の逆襲」などの著書がある桑原才介さん、「吉祥寺が『いま一番住みたい街』になった理由」の斉藤徹さん、「吉祥寺『ハモニカ横丁』物語」の井上健一郎さん、創刊から44年の歴史を持つ「週刊きちじょうじ」編集長の大橋一範さんによるコラムも掲載。
担当の宮川和久さんは「当時を懐かしむ方、現在との違いに驚く方、開発の過程に興味を持つ方、老若男女皆さん、楽しくご覧いただいている。昔の写真が現在のどの位置から撮影されたかを地図と現在の写真で示してあるので、写真集を持って街歩きをされてみては」と話す。
仕様はA4判、172ページ。価格は2,500円(税別)。