武蔵野市立吉祥寺美術館(武蔵野市吉祥寺本町1)で7月15日から、「高畠那生(たかばたけなお)のなつやすみ展」が開催される。
《空からまねきねこ》2017年©NAO takabatake
2003年に「ぼく・わたし」で絵本作家としてデビューした高畠さん。鮮やかな色彩と大胆な構図の中に、時に笑いを誘うような細部を表現し、日本絵本賞を受賞した「カエルの おでかけ」をはじめ、「クリスマスのきせき」「バナナじけん」「たとえば、せかいがゴロゴロだったら」など数多くの代表作がある。
初の本格的な個展となる同展の開催に合わせ、2015年に復刊された人気作「だるまだ!」(好学社)の続編となる新作絵本「まねきねこだ!!」も制作された。会場には同2作品の原画全点を含め、代表作の原画やインクのみで叙情的に描いた挿絵など約200点を展示する。
学芸員の道家さんは「高畠さんの描く作品は、一つの絵画として成り立つほど技能が高く色鮮やか。絵本ではトンボで枠を区切るので筆触が途中で切れてしまうが、原画を展示することで軽やかな筆触そのままに、スタイリッシュな絵の世界を隅々まで楽しんでもらえるのでは」と話す。
併せてアトリエでの制作風景も動画で公開する。「お客さまから、展示だけでなく手法を知りたいという声が以前から上がっていた。インタビューシーンと合わせ、色を塗って仕上げる様子など制作の秘密に迫るような臨場感を体感してもらえたら」と道家さん。
期間中は関連イベントも予定する。7月29日と8月19日は高畠さん自らが手作りした立体のダンボールだるまに色を塗るワークショップ「きみのだるまはどんなかお」を行い、作品は持ち帰ることができる。
新作「まねきねこだ!!」は7月25日の刊行(予定)に先駆け、同展で先行販売する。「夏休みに重なるこの時期、作品の変遷にも注目しつつ、遊び心にあふれた絵本の世界に触れたり、絵本作家と一緒ににぎやかに作品づくりを楽しんだりしてもらえたら」と来館を呼び掛ける。
開館時間は10時~19時30分。入館料は、大人=300円、中高生=100円(小学生以下・65歳以上・障がい者は無料)。8月27日まで(7月26日は休館)。ワークショップの開催時間は13時~16時。参加費1,000円。対象は小学1~6年生で保護者同伴。要事前申し込み。応募者多数の場合は抽選。詳細はHPで確認できる。