吉祥寺周辺の美術館とギャラリーで7月7日から、「武蔵野アール・ブリュット ヒトが表現するということ」が開催される。
「アール・ブリュット」は「生(き)の芸術」を意味するフランス語で、専門的な美術教育を受けていない人々による表現や作品のこと。主催する実行委員会事務局で、武蔵野市役所障害者福祉課の寺井課長は「本来、障がいのある方々によるアートに限らない言葉だが、武蔵野エリアでも当タイトルで展示を行い、各地で行われている『アール・ブリュット』展と合わせ広がっていけたらと企画した。作品を通して多様性を大事にできたら」と話す。
「これまで各施設単位での作品展は行っていたが、非常に芸術性の高い作品が多かったこともあり、一般の方にも広く見てもらえたらと公募した」とも。
武蔵野市に何らかの関わりがあることを条件に集まった応募作品198点を選考。メイン会場となる「武蔵野市立吉祥寺美術館」ほか「アートギャラリー絵の具箱」「ギャラリー永谷1・2」の4会場で合わせて120点を展示する。
「審査をお願いした3人の先生もレベルが高いとお話くださり、本当は全部展示できればと思ったほど。緻密な作品や色鮮やかなものなど絵画が多く、中には木や粘土を使った立体作品や織物なども」と寺井さん。
7月8日には公募作品受賞者の表彰式と審査委員によるパネルディスカッション、9日は記録映画「アール・ブリュットが生まれるところ」の上映会と、同作品の代島監督、絵本作家の荒井良二さんによるアフタートークを予定する。
併せて同2日間、商業施設「コピス」前のふれあいデッキで、同展のコーディネーター三友周太さんによるワークショップ、ひもを使って作る「HIMONINGEN(ヒモニンゲン)」も行う予定。
「市内のあちこちでゆっくりと作品が見られる。街を散策がてら既成の表現にとらわれない作品を楽しんでもらえたら」と来館を呼び掛ける。
開催時間は10時~19時30分。すべて無料。7月10日まで。7月9日の上映会&アフタートークは要予約。定員70人。