還暦のゾウ「はな子さん」へのメッセージ展示-井の頭自然文化園

井の頭自然文化園で展示されている「ゾウのはな子さん」へのメッセージカード

井の頭自然文化園で展示されている「ゾウのはな子さん」へのメッセージカード

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 井の頭公園に隣接する井の頭自然文化園(武蔵野市御殿山1、TEL 0422-46-1100)では1月13日より、今年還暦を迎えた「ゾウのはな子さん」へ宛てられたメッセージカードの展示を行っている。

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 展示場所は、同園の資料館1階。メッセージカードは、はな子さんと飼育員の物語「父が愛したゾウのはな子」(山川宏治著、現代書林 2006年)に挟み込まれていたもの。著者である山川宏治さん(現在東京多摩動物公園主任飼育員)は、父の山川清蔵さんとともに親子二代ではな子さんの飼育員を務めており、同書には、はな子さんと親子二代飼育員との苦難と愛情の歴史が描かれている。

 読者から寄せられたメッセージカードは30通ほど。幼い頃からはな子さんを見てきた年配の方や大人の世代からは「はな子さん、ありがとう」という感謝のメッセージや、はな子さんへの共感の言葉が多く集まった。小学生やまだ字の書けない子どもからの寄稿も多く、親世代から子どもへ、はな子さんが語り継がれている様子。各世代から「元気に、長生きしてください」というメッセージが寄せられている。

 ゾウのはな子さんは、1949年(昭和24年)にタイから日本に来た(当時推定年齢2歳)。戦争中に上野動物園亡くなった「花子」の名前を譲り受け「はな子」と名付けられたこのゾウは、身に降りかかる苦難を乗り越え、今年の正月に還暦(60歳)を迎えた。日本で現在最高齢のゾウは、神戸市王子動物園の諏訪子(64歳)で、はな子さんは日本では4番目の高齢。ゾウは60歳でもかなりの高齢と言えるが、史上最も長生きしたゾウは台湾にいた雄ゾウで、70歳を越えていたという。同園では今後、9月の「敬老の日」に還暦のお祝いをするなど、はな子さんにちなんださまざまな催しを計画している。

 同園はリピーターが多く、4回分の入園料(一般1,600円)で購入できる「年間パスポート」の発行は4つの都立動物園の中でも1位。「毎日の散歩コースにしている親子も多い」(同園)という。現在は、冬の寒さが体にこたえることもあり、はな子さんは午後2時頃になると小屋に入るため、広い運動場で遊ぶ姿が見られるのは昼過ぎまで。「体調が良い日であれば、水(薄めたポカリスエットに塩などを混ぜたドリンク)を10リットルほど勢い良く飲む姿が見られることも。夏には、おやつ(小さく割ったスイカなど)を食べる姿なども見られると思う」(同園の井内さん)。

 開園時間は、9時30分~17時(入園は16時まで)。入園料は、一般=400円、中学生=150円、65歳以上=200円(小学生以下、都内在住・在学の中学生は無料)。

井の頭自然文化園

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