吉祥寺バウスシアター(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-3555)で6月29日、毎年恒例の「爆音映画祭」が始まる。
2008年から始まり今年で5回目となる同映画祭。音楽ライブ用のサウンドシステムを使って映画を爆音で上映し、映画の描く世界を「爆音」を通して見ることで、新しい見方を提案している。
同館スタッフの井出さんは、「今年は『スター・ウォーズ エピソード I ファントム・メナス3D』『燃えよドラゴン』『未知との遭遇 特別編』『仁義なき戦い 広島死闘篇(へん)』など、誰もが知る不動の名作と爆音で向き合う趣向がある一方、5時間半の映像体験『精神の声』や『サウダーヂ』の映像制作集団・空族の新作『バビロン2』、ドン・ハーツフェルトの傑作アニメーション『きっとすべて大丈夫』三部作、牧野貴の『Generator』『2012 act.3』など、爆音映画祭が常にこだわってきた『音』に対する意識の高い映画作家の作品を上映するという姿勢もあって、かなり色鮮やかな上映作品のラインアップになったのではないかと思う」と話す。
期間中は、エッセイストなど幅広く活動する中原昌也さんのソロユニット「ヘア・スタイリスティクス」が無声映画「戦艦ポチョムキン」に音を付けていくライブパフォーマンスや、「キル・ビルvol1&2」のオールナイト上映では、映画に実際に出演していたバンド「The 5.6.7.8's」がステージでライブを行うなど、さまざまなイベントを企画している。
今回、初の試みとして屋外上映を新たに企画。5つの短編からなる映画「5windows 吉祥寺remix」のうち4編を吉祥寺の街頭「コピス吉祥寺 3階吉祥空園SORA」「武蔵野公会堂旧レストラン壁面」「吉祥寺図書館自転車置き場」「アトレ吉祥寺西荻窪寄り高架下壁面」の4カ所で上映し、最後の1編を劇場で上映する。「外なので爆音ではないが、参加者には吉祥寺の街へ出ていただいて、実際の吉祥寺の風景や街の音も含めたその瞬間にしか存在しない『新しい』映画体験をしていただこうという試み」とも。
期間中は、全作品で当日券を用意(「少女革命ウテナアドゥレセンス黙示録」は若干数)。上映時間、チケット代金などの詳細はホームページで確認できる。7月14日まで。