老舗焼き鳥店「いせや」、建て替えで仮店舗オープンへ

9月22日、昼間から常連客で賑わう「いせや」

9月22日、昼間から常連客で賑わう「いせや」

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 吉祥寺の老舗焼鳥店「いせや総本店」(武蔵野市御殿山1、TEL 0422-47-1008)は9月25日、老朽化による建て替えのため一時閉店する。

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 同地で昭和3年に創業、昭和28年に現在の店舗としてオープン。今やビル化された街並みの中で、昔ながらの木造家屋と舞い上がる焼き鳥の煙でひときわ目立つ存在で、吉祥寺の名物店として愛されてきた。閉店を聞きつけた地元客らで「ここ1週間は開店から閉店まで、行列が絶えない」(店長の西島泰助さん)という。

 昭和26年から同店に勤務している西島さんは、「建て替えは残念に思うが、老朽化のためなので(仕方ない)」。開店当初は1串10円だった焼き鳥も、5円単位ずつ値上げして今は一串80円。消費税導入後も、値段を据え置いてきた。リニューアル後も、メニューやサービス、値段を変えないでがんばりたい」と話している。

 40年来の常連客の一人である森孝二さんは、「ここの焼き鳥は具が大きいので箸を使って食べる人が多いが、常連はみんな大口あけてほお張っている。その姿がテレビに映ったときは嬉しかった」と話す。森さんは学生時代からの常連。自転車で15分かけてほぼ毎日やって来る。コロッケや串カツなど、曜日ごとに変わる一品メニューと焼酎の水割りが楽しみだという。「目を合わせただけで『いつもの』をベテラン店員の浜ちゃんがさっと出してくれるんですよ。『毎度』と挨拶されるよりも、数倍嬉しい。仮店舗でも新しくなっても、いせやそのものは変わらないだろうから、これからも毎日来るよ」と話してくれた。

 現在、2階建ての木造家屋だが、新築後は地下2階地上14階建てのビルを計画。その1階と2階が「いせや」になる。西島さんは「内外装ともに現在のままのスタイルを再現する。再来年の花見の季節までにはオープンさせたい」と話している。3階以上は賃貸マンションになる予定。

 仮店舗は現在、吉祥寺駅北口近くで建設しており、10月5日前後のオープンを予定している。プレハブ仕様の2階建てで、店舗面積は計36坪。1階はカウンター、2階は宴会用の座敷席になるという。看板やちょうちんも、現在のものを使用。営業時間(12時~22時)、定休日(毎週火曜)は、供に今と変わらない。

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