吉祥寺駅アトレ東館口そば東通り沿いに7月15日、バターブレンド焙煎(ばいせん)コーヒー店「ダンケ」(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-8333)がオープンした。
「バターブレンドカフェ」カップはアメリカ大使館のディナーで使われるピカード社製(関連画像)
店舗面積は10坪で、テーブル10席、カウンター7席を用意。カウンター正面には希少なカップのコレクションをディスプレーし、漂うコーヒーの香りに深い木目調の家具は落ち着いた雰囲気を演出する。
神戸にある「御影ダンケ」本店。ブレンダーの店主・寺口さんが、焙煎直後の豆にバターを染み込ませるオリジナルのコーヒーを4年弱かけて1977(昭和52)年に開発。現在もこの「バターブレンドコーヒー」の研究は続けられており、「バターブレンドは日々変化している」と話すのは一番弟子の楠さん。「寺口さんは一種類だけのコーヒーを研究する職人。名を残す老舗メーカーになるため、コーヒー激戦区の神戸で勝負を始めた。量産せず全て手作り。百貨店からの出店依頼も全て断っている」という。
楠さんは、学生時代に神戸の店に通い「味がまろやかでコクがあり、香りもやわらかい」というバターブレンドのとりこに。企業に就職するも退社して弟子入り。神戸で修行した後、本厚木で開業。「フランチャイズではなく、のれん分け。関東には現在、町田店と厚木店があるが、全て年内に閉店して吉祥寺店のみにする」と楠さん。軽食や紅茶、ケーキなど、来客の要望で増えてしまったメニューを、神戸のようにバターブレンドだけを提供する「原点に戻したかった」と言う。
メニューは、バターブレンドカフェ(650円)、ウインナカフェ(750円)、アイスバターブレンドカフェ(650円)、ウインナアイスカフェ、フロートアイスカフェ、コーヒーゼリー(以上750円)と、ダンケ30年のロングセラーケーキのケーゼクーヘン(500円)のみ。豆だけも販売する(200グラム=1,400円)。
寺口さんが現役の間は、バターブレンドは寺口さんしか作ることができない。そのため注文した分だけ焙煎した豆が神戸から送られてくる。「ストックをしないから鮮度はとても良い。豆も最上のものを使っている」と楠さん。「ネルはフランス、エスプレッソはイタリア、ペーパーはドイツが作った。豆がよければどんないれ方でもおいしい。コーヒーはブラックが一番というが、いい豆なら、砂糖を入れても、ミルクを入れてもおいしく飲める」とも。
楠さんの趣味は、アンティークや希少な食器のコレクション。25年かけたコレクションには、イギリスのダイアナ妃のバラをあしらった記念のカップや、アメリカ大統領専用機で使われるカップなども。「常連のお客さまにはカップのリクエストをする方も。食器が趣味の方には、カップも楽しんでいただきたい」と楠さん。
営業時間は11時~20時。