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映画「死なない子供、荒川修作」-吉祥寺バウスシアターでレイトショー

映画「死なない子供、荒川修作」 ©2010rtapikcar Inc.

映画「死なない子供、荒川修作」 ©2010rtapikcar Inc.

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 吉祥寺バウスシアター(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-3555)で2月5日より、舞台となった武蔵野地区では初の上映となるドキュメンタリー映画「死なない子供、荒川修作」がレイトショー公開される。

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 同作品は昨年急逝したアバンギャルドな芸術家・荒川修作さんに迫ったドキュメンタリー映画。岐阜に作られたテーマパーク「養老天命反転地」、三鷹の死なないための住宅「三鷹天命反転住宅」、岡山に建てられた巨大な円筒建造物「奈義の龍安寺」など、奇抜な作品を発表し波紋を投げかけてきた荒川さん。園内を全て斜面にしたテーマパークでは、歩くだけで負荷がかかり身体に特別な感覚を与える構造に。外観から内装に至るまで住居を逸脱した「三鷹天命反転住宅」については、「ここに住むと身体の潜在能力が引き出され、人間は死ななくなる」と断言もしている。この三鷹の建物で生活する人たちの身体的変化や子どもの成長過程の映像を織り交ぜながら、芸術・科学・哲学を統合する都市計画を構想した荒川さんの活動が記録されている。

 このドキュメントを記録した山岡監督は実際に4年間、三鷹天命反転住宅で家族と暮らしている。「入居者を募集していて、まずは見学会に参加した。外観もさることながら生活空間の奇想天外さに衝撃を受け、気持ちの高揚感が抜けず家族とともに入居を即決した」と話す。住み始めて1年ほどたち、記録に残す必然性を感じ映像作品にしたという。「天才とはこの人のためにある言葉。3歳の子どもであると同時に老成した仙人であり、これほどまでに真剣に無垢(むく)に力強く『希望』について語った人はまれ」とも。

 上映期間の土曜、水曜、金曜には監督を交えたトークショーを組む。舞台となった三鷹天命反転住宅を管理するマドリン・ギンズ東京事務所代表の本間桃世さんとの対談は2月5日・9日・11日に、宮崎駿監督との親交も深い評論家・切通理作さんとの対談は12日に、荒川さんについての著書もある早稲田大学教授・塚原史さんとの対談は18日を予定。16日は山岡監督一人のトークショーに。いずれも上映終了後に行う。

 映画の舞台に近い吉祥寺ならではの特典として、三鷹天命反転住宅の建物見学会と相互割引も実施。観賞後、半券を提示すると建物見学会が500円引きになる。一方、見学会に参加して住居パンフレットを持参すると映画が300円引きに。アルゴ・ピクチャーズの熊谷さんは「トークショーでは質疑応答の機会も設ける予定。映画を見た後は、ぜひ実際の建物に行ってほしい」と話す。

 上映は2月18日まで。

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