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三鷹市芸術文化センターで若手注目3劇団が公演-「マームとジプシー」ら

マームとジプシー「LEM-on/REmum-ON!!」舞台写真@元・立誠小学校(京都)2012年3月
撮影:細川浩伸 

マームとジプシー「LEM-on/REmum-ON!!」舞台写真@元・立誠小学校(京都)2012年3月 撮影:細川浩伸 

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 三鷹市芸術文化センター(三鷹市上連雀6、TEL 0422-47-5122)星のホールで9月、脚本・演出力に優れ、今後の活躍が期待される若手劇団を集めた公演「MITAKA “NEXT” Selection」が始まる。今回で13回目の開催となり、出演するのは「マームとジプシー」「はえぎわ」「モナカ興業」の3劇団。

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「担当者2人が、各々年間150~200本近くの公演に足を運び、人気や集客にかかわらず、実際に自分の目で見て『いい』と思える劇団だけを毎年選んでいる。たとえ自分たちがいいと思っても、全てのお客さまに一様に満足してもらえることはなかなか難しいかもしれない。だからこそ、自分たちとしては精いっぱいの努力をしてお客さまに受け入れてもらえるよう、『三鷹はいつもいい劇団の公演をしているね』と言っていただけるよう、祈るような気持ちで選出している」と同イベント担当の森元さん。

 2009年開催の第10回に出演した「劇団ままごと」の「わが星」が2010年第54回岸田國士戯曲賞を受賞。今回出演する「マームとジプシー」「はえぎわ」は今年、第56回目となる同賞を受賞している。「出演いただいた劇団のその後の活躍を見たり、2度目3度目とご縁が続いていく劇団があったりするのはとてもうれしい。また、この春に受賞した今回の2劇団も声を掛けたのは賞を取る前だったので、期せずして注目を浴びることになりありがたいかぎりだ」とも。

 3劇団の魅力について、「『マームとジプシー』は学生劇団のころから見ていて、舞台全体を包む独特の空気感や作家の藤田さんによる言葉へのこだわりが感じられて将来を楽しみにしていた。2年前に横浜で上演された『コドモもももも、森んなか』が素晴らしく、『あっ、何かをつかんだな』と思うほどの頼もしい舞台で、その後も作品を拝見していく中、今回この機会にご一緒させていただけることに。舞台の特徴としては、登場人物の記憶の断片としての言葉を、繰り返し繰り返しリフレインし、少しずつ角度やニュアンス、語尾などを変えつつ、舞台上にその思いをまるで万華鏡のようにちりばめていくような舞台空間を生み出し続けていて、今回も劇場を彼らの言葉が、役者の熱が、乱反射して昇華していくのではと楽しみにしている」。

 「『はえぎわ』は、もう10年以上のキャリアを持つ劇団。作・演出・主宰のノゾエさんには、2004年に三鷹のホールが開催した舞台に役者として出演していただいたことがあり、当時からノゾエさんの言葉に対する感覚は鋭く、切れ味のある脚本を書いていて注目していた。ここ1~2年は、カレーに例えて言うと『すごく辛いけど全てのスパイスが見事にルー全体に溶け込み、何の辛さかを言い当てることができないほどまろやかですごくおいしい』と感じる舞台を作られていて、『ぜひに』とお願いして出演いただいた。その『辛さの中に癖になるほどのうまさ』を秘めた舞台を期待している」。

 「『モナカ興業』は、昨年1月に初めて見てその硬質な舞台作りに圧倒された。終演後、過去作の台本などをお借りし、この劇団のクオリティーに敬意を表し公演をお願いした。劇団名からコメディーが主体と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、作家のフジノサツコさんが書かれるセリフは人間関係の奥深くに一瞬で切り込んでいく力があり、それを受けて森新太郎さんの演出が観客をぐいぐい引き込んでいく緊張感を作りあげている。今回の三鷹の舞台でもその演劇的総合力を遺憾なく発揮した素晴らしい舞台を作ってくれると思う」と話す。

 公演日・チケットについては同劇場ホームページから確認できる。

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