荻窪の「杉並アニメーションミュージアム」(杉並区上荻3、TEL 03-3396-1510)で現在開催中の「第27回企画展『人狼JIN-ROH』セル画展~アナログアニメーションの魅力~」の関連イベントとして10月23日、沖浦啓之監督と西尾鉄也作画監督を招いたトークイベントが行われる。
沖浦監督は、1966(昭和41)年大阪府生まれ。アニメアールに入社し、TVシリーズ「星銃士ビスマルク」で初作画監督。映画「AKIRA」、TV「ピーターパンの冒険」、映画「老人Z」などの原画をつとめ、1991年に上京。映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」のキャラクターデザイン・作画監督を経て、2000年に初監督となる映画「人狼 JIN-ROH」を発表。ポルト国際映画祭1999での最優秀アニメーション賞・審査員特別大賞受賞をはじめ、他映画祭でも各賞を受賞。映画「COWBOY BEBOP 天国の扉」ではオープニングの絵コンテ・演出・原画で参加し、映画「イノセンス」ではキャラクターデザイン・作画監督・原画を担当。その後、来春公開予定の映画「ももへの手紙」に着手。同作が監督作品としては2作目となる。
西尾さんはプロダクションI.Gに所属するアニメーター。TV「おそ松くん」で動画デビュー。主な参加作品は、TV「NINKU -忍空-」(キャラクターデザイン)、映画「イノセンス」(作画監督)、TV「攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG」(キャラクターデザイン)、TV・映画「NARUTO -ナルト-」(キャラクターデザイン)、映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」(キャラクターデザイン・作画監督)など。「人狼 JIN-ROH」では作画監督を務めた。2009年東京アニメアワードノミネート部門では「個人部門キャラクターデザイン賞」を受賞。
同イベントでは沖浦さんと西尾さんが登壇し、アニメーションの制作環境が様変わりする中、セル画で制作された最後の長編アニメ「人狼 JIN-ROH」を振り返り、「作品への思い」「今だから語れる制作秘話や苦労話」などを語る。
開催は23日(15時~)同ミュージアム内の「アニメシアター」(定員50人)。トーク中心のイベントのため、小学生低学年以下の参加は不可。参加希望者は8日15時からメールで申し込みを受け付ける。定員になり次第受け付けを終了し、終了時間内に応募者が多数の場合は抽選となる。応募の詳細はホームページで確認できる。
展示会の様子について、同館の藤田さんは「今のアニメ制作ではほとんど使われなくなったセル画だが、アニメファンの中にはセル画というものに対して特別な思いを持っている方が多いようだ。緻密に作られた『人狼 JIN-ROH』という作品の魅力が、セル画一枚一枚に現れているということも大きいが、皆さんセル画を熱心に見て行かれる」と話す。
同展の開催時間は10時~18時(最終日は16時まで)。月曜休館(祝日の場合は翌平日休館)。入館無料。11月20日まで。