アメリカのバスケットボール・独立リーグ「NPBL」(National Professional Basketball League)でアジア人初のプレーヤーになり、現在スターティング選手として活躍している吉祥寺出身の栗原祐太さんは、NBA(アメリカ最高峰のプロバスケットリーグ)入りを目指し、6月に行われるNBA直属のマイナーリーグ「NBDL」のプレ・ドラフトキャンプに参加する。
1981年吉祥寺出身の栗原さんは、武蔵野第五中学校から千葉日大一高、早稲田大学と進学。2005年10月に単身アメリカに渡り、独力で情報を集めるなど苦労に苦労を重ね、プロバスケット独立リーグのトライアウト受けて合格し、キャンプを経て最終メンバーとして勝ち上がった。
2007年1月に「Philadelphia Power(EBA)」の一員としてプロ初プレー。栗原さんはその時の心境を「一言では言い表せないとてつもなく大変な道のりだったので、喜びやうれしさよりほっとしたというのが正直な気持ち」と話す。現在は4つ目のチームとなる「Delaware Destroyers(NPBL)」でプレーしている。
栗原さんがNBAを目指そうと決心したのは小学生のころ。「友だちにNBAのビデオを見せられて、これしかない!と直感した」(栗原さん)。渡米の際には「回りは就職に忙しいのにこんなことしていていいのか?」「日本で無名な自分が本当にアメリカでプロになれるのか?」など不安にさいなまれたが、自分を試したいという期待のほうが大きかったという。
お金をセーブするため、シングルベット1個分の小さな部屋で生活しているという栗原さんの毎日は、「朝6時に起きて朝練習をして少し昼寝をして、また夕方から練習という感じ。食事は大体自炊」。遠征になるとチームの小さなバンで4時間以上も移動しすぐに試合という、タイトなスケジュールをこなす。「日本人としても体が大きい方ではないので(身長=175センチ、体重=70キロ)、けがや疲労は付きもの。そのつらさは想像を絶するものがある」(栗原さん)とも。
6月に「NBDL」のプレ・ドラフトキャンプに参加しNBA入りへ夢の第一歩を踏み出す栗原さんは「ずっと吉祥寺で育ってきたので、吉祥寺魂を米バスケット界に見せつけたい。日本では本当に無名な選手だったので、ぜひ地元のみんなに応援してほしい。ブログなどを見てコメントやメールを送ってくれるだけでも、とても励みになる」と意気込みをみせる。
栗原さんへの応援メッセージなどは、ホームページやブログから受け付けている。プレーに集中するために現在スポンサーも募集中。