沖縄焙煎(ばいせん)コーヒーと国産ワインをそろえ、映画関連の最新情報を提供するカフェ&ワインバル「ANGELIKA(アンジェリカ)(武蔵野市吉祥寺本町4、TEL 090-1690-4898)が吉祥寺の中道通りから路地を入ったビルの2階にオープンして、6月6日で半年を迎える。
勝沼のマルサン葡萄酒が作った一升ピンワイン「若尾」と勝沼産100%ワイン
映画会社に勤務していた高田和子さんと小森仁美さんが共同オーナーとして、「それぞれが好きなものを提供する中で、直接お客さまと接して映画のことを語り合う空間を持ちたい」と2022年12月に開いた。店名の「ANGELIKA」は旅行でよく出かけたニューヨークのソーホーにある「居心地の良い」映画館「Angelika Film Center」から。
出店場所に「地元の人だけでなく、観光客も多く、居心地がいい」吉祥寺を選び、「自分の時間を静かに持って、落ち着ける」物件を探していたところ、紹介された物件を一目見て「ここだ」とひらめいたという。「広々とした窓と、そこから見える風景を含めとても気に入った」と高田さん。「隠れ家にいるようにゆったりした時間を楽しんでほしいので、あえて2階を選んだ」とも。
店の空間デザインや名刺、ロゴマークの制作も手がける、沖縄に移住した知人のデザイナーが描いたウオールアートが目を引く店内には、テープル4卓と椅子6脚、3人用ベンチシート、カウンター2席を備える。
メニューはニューヨークスタイルのベーグル専門店「Bog Bagle」(品川区)とコラボしたベーグルサンドを数量限定で提供。パストラミビーフベーグルサンド(1,500円)、「ベーコンエッグベーグルサンド」(土曜・日曜のみ1,400円)。ランチタイム(11時~15時)には、コーヒーやジンジャーエール、グラスワイン、ビールなどのドリンクとのセット(200円~500円追加)もそろえる。香港が大好きな小森さんが、香港では定番スイーツのエッグタルトを提供したいと研究を重ねて作ったポルトガル式のオリジナルレシピで、毎日焼き上げるエッグタルト(350円)、本日の総菜タルト(750円)なども用意。「調理工程が多いので、一日に焼ける量が限られる。売り切れたらおしまいになるのでDMや電話で予約してくれればと小森さん。
コーヒーは、高田さんが沖縄で「焙煎機の格好良さに引かれ使っている人を知りたい」と出会ったHumming Coffee(沖縄県那覇市)の末吉業人さんが焙煎した豆を使う。ANGELIKAをイメージした「キリッとした味わい」のオリジナルブレンドをハンドドリップで提供する。コーヒー(600円)、アイスコーヒー(650円)、カフェラテ(700円)など。
ワインは国産にこだわり、勝沼のマルサン葡萄酒(山梨県甲州市)と契約。地産地消の一升瓶ワイン「若尾」や勝沼産100%の「ベリーA百」「甲州百」(以上、グラス750円)などの他に、時期に合わせて仕入れたワインを提供する。
オープン当初から目指していた映画関連のトークイベントの1回目を3月に開催。2回目は5月13日、「ももいろそらを」などの作品を手がけた青春恋愛映画の小林啓一監督と成蹊大学映研部の学生が「今、日本の恋愛映画に求めるもの」というテーマで座談会を開いた。店内には学生が選んだ「学生たちの生涯のベスト映画」のチラシ16枚を展示する。「近隣に大学が多い吉祥寺という場所を生かし、学生に多くの映画との出合いの空間を提供したいと思ってきたが、念願かなってようやく開催にこぎ着けた」と高田さん。「学生とのイベントは今後も継続したい」と意気込みを見せる。
オープンから半年。高田さんは「当店が提供するインスタの映画情報に関心を持って来店するお客さまが増えた。平日と土曜、・日曜は客層が違うことを実感したが、老若男女を問わず、一人、複数の偏りもなく来店がある」と話す。「吉祥寺は個性的な店を巡る楽しさが魅力の街。アンジェリカもその中で一つのカラーとして存在したい。日常の中で映画を語り、豊かなひとときを過ごしてもらえたら」と来店を呼びかける。
営業時間は11時~18時。夜営業は予約のみ(コースメニュー2,500円~)。月曜定休。「学生たちの生涯のベスト映画」のチラシ展示は6月11日まで。