金継ぎ専門教室「tugotto(ツゴット)」(武蔵野市吉祥寺南町2)が5月1日、吉祥寺にオープンした。
金継ぎは陶磁器の欠けや割れ、ひびなどの破損部分を漆を使って接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法。講師を務めるアーティストで金継ぎ師の角松健次郎さんは吉祥寺在住。これまで新国立美術館、上野の森美術館などで個展を開くなど活動する。
角松さんは「吉祥寺は食器や器を扱う店は多く存在しているが、修理や補修を行う店は少なく、金継ぎは教室などあまり見当たらなかった。住まいのすぐ近くに偶然空き物件を見つけたため、吉祥寺にオープンした」と話す。
接着剤などを使う簡易金継ぎではなく、本漆を使った金継ぎ体験とレッスンを提供する。角松さんは「硬化するのに時間がかかり、他の工程を含めると完成までは早くても1カ月以上かかるが、食品にも安全に使える。簡易金継ぎを金継ぎと誤認させないよう、伝統文化でもある本金継ぎを次世代に伝えていきたい」と話す。
体験型のワークショップは2回コースで、1回目は欠けた部分を接着し、2回目は着色をする。料金は1回5,000円。全ての工程を体験し、継ぎ方を学ぶチケットコースは6回分のチケット(2万4,000円)を事前に購入する。そのほか、月謝コース、遠方で通えない人に向けた郵送コースも用意する。
「一般の人からだけでなく、飲食店さんからも割れて使えない食器を回収し、新しい器として再生させていきたい。SDGsが掲げる17の目標の中の12『つくる責任 つかう責任』の一助にもなれば」と意気込む。