昭和の武蔵野の映像を上映する「第ZERO会 武蔵野映像祭り」が8月27日、吉祥寺の「武蔵野公会堂ホール」(武蔵野市吉祥寺南町1)で開催される。
主催は武蔵野発の映画祭「ムービンピック」を手がけるムービンピック実行委員会。2012(平成24)年に始まった同映画祭は「観(み)る映画祭から創る映画祭へ」を掲げ、公募で選ばれた映像クリエーターが定められた競技設定に合わせて映画を製作し、上映会で順位を競い合う。これまで「24時間で短編映画を完成させろ」「井の頭恩賜公園100周年にふさわしい、短編映画を完成させろ」「20分以内の短編映画、北村西望作の銅像がある『三鷹駅北口ロータリー』をキープレイスにする」などのルールを設けてきた。
同映画祭の一環として行う今回のイベントについて実行委員長の秋田克之さんは「コロナ禍でここ数年映画を撮るのが難しいが、何か映像製作に意味があるということを伝えられるような、映像とのつながりづくりができたらと考えた」と話す。
第1部では武蔵野市が製作した「武蔵野」(1957年)を短く編集したものと、「太陽に輝くまち吉祥寺」(1975年)を上映する。秋田さんは「今回特別に上映の許可をもらった、これまでほとんど公開されてこなかった貴重な映像。1970年代はちょうど大型店舗が相次いで出店したり、吉祥寺周辺の再開発事業が始まったりした頃で、『太陽に輝くまち吉祥寺』は現在の街の姿に生まれ変わる状況が一目で分かる映像にまとまっている。戦後、復興していく武蔵野の姿を映す『武蔵野』のレトロ感あふれる映像は若い世代にも楽しんでもらえるのでは」と話す。
第2部は立川市支援で制作された山村もみ夫監督の短編映画「バリアフルライフ」の鑑賞を中心に、吉祥寺商店会のインタビューや井の頭公園のトリビア解説、ハーモニカ横丁の歴史を語った映像に、ムービンピック実行委員会の会議映像をコミカルに加えて構成した映像集「映画を見て語り合おう!」を上映する。
秋田さんは「舞台あいさつも予定している山村監督はムービンピック第2回の挑戦者で、『むさしの賞』を受賞された時から良縁が続いている。地元の映像を残す意義を伝えつつ、これから生み出される武蔵野発の映像を充実させる意義についても併せて考えていけたら」と話す。
開催時間は15時~17時30分。入場無料。