「鈴木のりたけの“しごとば”展 進化する絵本の世界」が8月6日、「武蔵野市立吉祥寺美術館」(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-0385)で始まる。
絵本作家の鈴木さんは1975(昭和50)年、静岡県浜松市生まれ。2009(平成21)年、「仕事の現場を絵本にする」というアイデアを基に綿密な取材を重ね「しごとば」を制作。2020年刊行の「やっぱり・しごとば」を含め計6冊のシリーズを手がける。2年半かけて制作し、2012(平成24)年に刊行した「しごとば 東京スカイツリー」(ブロンズ新社)は第62回小学館児童出版文化賞を受賞。ほかに「ぼくのトイレ」「大ピンチずかん」「うちゅううずし」などの絵本を手がける。
同シリーズから新幹線運転士、宇宙飛行士、女優、米農家、特殊メーキャップアーティスト、恐竜学者など計20職種の原画88点を展示する。学芸員の布施道さんは「リアルを追求して描かれているが職業紹介図鑑ではなく、作家が取材で感じた面白さが詰まっている」と話す。
「原画と合わせ絵本の企画の意図をお客さまにも共有してもらう方がより、のりたけさんの魅力が伝わると思い、展覧会を家に持って帰れるような図録作りに尽力した。『しごとば』シリーズの解説や絵探しの答えなど、冊子と合わせて展示を楽しんでもらえたら」と話す。
「シュールなデビュー作とダジャレ絵本」「絵本一冊まるごと楽しい!」など、7つのキーワードで「しごとば」シリーズ以外の絵本原画も約70点を並べる。
8月28日には美術館音楽室で、鈴木さんと編集者の沖本敦子さん、新日本フィルハーモニー交響楽団所属のバイオリニスト、佐々木絵里子さんがトークショー「しごとばができるまで」と演奏会を行う。開催時間は14時~16時。定員は40人(申し込み先着順、美術館チケットで参加できる)。8月8日から受け付ける。
布施さんは「鮮やかな色彩や遊び心あふれる緻密な表現などワクワク、ドキドキしながらじっくり絵を楽しんでもらえたら」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~19時30分。入館料は、一般=300円、中高生=100円、小学生以下・65歳以上・障がい者無料。9月19日まで(8月31日は休館)。