「街について自由に語り合うきっかけづくり」を目指し武蔵野市のデザイン会社・クラウドボックスが製作したトランプ型のカード「まちカタルカ」の販売が11月1日、始まる。
2019年に「吉祥寺かるた」を手掛けた同社。社長の徳永健さんは「かるたを作る過程では、初対面同士でも街トークで盛り上がってすぐに打ち解けることができたり、街を通じたつながりから仲間になれたりするような場面に何度も立ち合った。街への『共感』と『発見』を広げ、コミュニティーのつながりを深めるようなツールが作れたらと考えを温めていた」と話す。
カードの名称は、「まち」と「語る」、「カード」を掛け合わせている。カードには「好きな道」「いちばんよく行くお店」「このまちに住んだ(来た)理由」など54のトークテーマを並べ、クローバーやダイヤなどマークごとに「好き(偏愛)」「おすすめ(情報)」「エピソード(体験)」「クリエイティブ(妄想)」のテーマに分けた。イラストは、吉祥寺を拠点に活動するイラストレーターのキン・シオタニさんが手掛けた。
徳永さんは「遊び方は、『吉祥寺の街で』など街の名前を言ってからカードを一枚引き、トークテーマに基づいて話をする。トークテーマはどの街でも楽しめるよう意識した」と説明。「『吉祥寺かるた』をきっかけにキンさんと出会い、一緒に何か作れたらと話したことが以前から考えていたツール作りと結びついた。街歩きを題材にトークライブなども行うキンさんは制作をとても楽しんでくれ、トークテーマに合わせて何パターンもイラストを提案してくださった。吉祥寺を知っている人にはイラストに描かれた街の風景も楽しんでもらえるのでは」と話す。
「コロナ禍もあって個々が生活する街との距離がより近くなり、自分にしか見えていない街の風景を語ることの良さや温かみのようなものが、大事にされるようになったと感じる。地域のサークルやコワーキングスペース、パパママ学級などさまざまなコミュニティーで活用してもらえたら。吉祥寺から全国にこのカードが広がれば」とも。
価格は1,320円。キン・シオタニさんが行うトークライブ会場で10月30日(飯能市)と同31日(武蔵野市)にも販売を予定する。