東京にある約550カ所の銭湯が一丸となって展開するアートプロジェクト「TOKYO SENTO Festival 2020」が、「ゴー風呂の日」にちなみ2020年5月26日から都内各所で開催される。吉祥寺の「弁天湯」(武蔵野市吉祥寺本町2)はじめ、4つの銭湯ではアーティストらが2020年の東京を切り取ったアートを展開する。
主催は東京都とアーツカウンシル東京で、2020年に向けて芸術文化都市東京の魅力を伝える都の文化事業「Tokyo Tokyo FESTIVAL」で募った2436件から選ばれた13企画の一つとして行われる。担当者は「東京の2020年を盛り上げ、日本ならではの銭湯文化をさまざまな人に体験いただくため、都公衆浴場生活衛生同業組合が中心となって企画した」と話す。
プロジェクトの一つ「銭湯アートプロジェクト」では、4つの銭湯と漫画、子ども向け番組、アールブリュット、現代アートの4ジャンルのアーティストがコラボし、作品を描き下ろす。「銭湯の歴史は室町時代までさかのぼるといわれ、併せて独自の建築様式や風呂敷、ペンキ絵、タイル絵といったアートも生み出してきた。東京を今まさに体現しているアーティストたちが集結し、銭湯文化とアートを融合させた表現を行う」と担当者。
「弁天湯」はNHE Eテレ幼児番組「みいつけた!」のアートディレクター、大塚いちおさんが「オフロスキー」など同番組の人気キャラクターで銭湯をプロデュースする。担当者は「親子でも楽しめるというパートを作ろうと考える中で大塚さん、Eテレに相談して快諾いただいた。内装を含め『オフロスキー』の世界感を楽しく作り上げられそうな銭湯であり、吉祥寺という街もファミリー層が多く住み、ご近所付き合いも成り立っている暖かさがあるイメージだったので企画が実現した」と話す。
「ペンキ絵の監修は日本に3人しかいないペンキ絵師の一人、田中みずきさんが担当する。イベント終了後に消えてしまう、この期間にしか見ることができないアート作品」とも。そのほかの銭湯とコラボするのはヤマザキマリさん、大原大次郎さん、青木尊さん、星清美さん。
ほかに銭湯を巡ってスタンプを規定数獲得した人に、特製の手拭いを進呈するスタンプラリー企画なども予定する。
2020年9月6日まで。